旧統一教会への献金を巡り、返還請求などをしないとする「念書」の有効性が争われている裁判で、最高裁が当事者双方から意見を聞く弁論を開きました。

 旧統一教会の信者だった女性の遺族は女性が1億円以上の献金をした後に返還請求などをしないとして作成させられた念書は無効だとして、教団側に損害賠償などを求める裁判を起こしています。

 女性は念書を作成した半年後に認知症と診断されていて、十分な判断能力がなかったとしています。

 1審の東京地裁は判決で念書の有効性を認め、「献金は自由意思によるものである」として訴えを退け、2審の東京高裁もこれを支持しました。

 遺族側の上告を受け、最高裁は10日に当事者双方から意見を聞く弁論を開きました。

 遺族は「極めて悪質なやり方で取り付けた念書を盾に返金請求に応じる姿勢が全くなかったため、司法に訴えるしかなかった」「実態を明かし、被害を回復させて下さい」と訴えました。

 一方、教団側は「念書は著しく過当な利益を獲得することを目的として作成したものではない」などと主張しました。

 弁論はこれまでの判決を変更する際に必要な手続きで、教団側の勝訴が見直される可能性があります。

 判決は7月11日に言い渡される予定で、旧統一教会への献金を巡り、念書の有効性について最高裁が判断を示すのは初めてになります。

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