試飲会では共同醸造された日本酒10種(オリジナルの酒5種、コラボレーションの酒5種)が並んだ=石川県金沢市で2024年6月7日午後5時5分、国本ようこ撮影

 能登半島地震で被災した石川県内の酒蔵5軒が、県内外の酒蔵の協力を受けて共同醸造した日本酒が完成し、7日に金沢市内でお披露目された。被災した蔵元の関係者からは「今季の酒造りはできないと思っていたのでありがたい」と感謝の声が上がった。

 被災酒蔵を支援するプロジェクト「能登の酒を止めるな!」による事業で、石川県白山市の蔵元・吉田酒造店の吉田泰之さん(38)らを中心に、醸造に協力する酒蔵をマッチングした。

 クラウドファンディングで支援金を集め、被災した輪島市・能登町の5蔵が、吉田酒造店のほか福井、広島、群馬、長崎各県の酒蔵と共同醸造。被災した蔵から運び出した酒米などを使い、味わいを再現した「オリジナル」と、協力先の酒蔵が酵母を提供するなどした「コラボレーション」の2種類で、計10種類の新酒が仕上がった。

 吉田さんは「能登の未来につながる希望のお酒になった。今回の共同醸造を、復興支援のモデルケースにしてもらえたらうれしい」と話した。プロジェクトは7日から第2弾を開始し、能登の酒蔵4軒と北海道などの酒蔵がマッチングした。来夏ごろまでに第5弾まで行う予定。

 第1弾の新酒は10日以降、県内外の酒屋で店頭販売する予定。720ミリリットル入り2本1セットで4400円(税込み)。問い合わせは同プロジェクト事務局のメール(noto.sake.project@gmail.com)へ。

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