不正請求した金がメイド喫茶などに使われた“疑惑の保育園”。突然の閉園に保護者は。

 札幌市にある認可保育園「ちゅうわ発寒保育園」。38人の園児が通っていましたが突然、休園が決まりました。

保護者
「夜の段階で『あしたで終わり』というのを急に聞いたので」
「転園するしかないですね。保育園探しから始めないといけないかなと」

 保護者に休園が知らされたのは先月31日。理由は6月3日以降、職員の数の確保が難しくなったためだといいます。

 この保育園を含む4つの認可保育園と1つの認可外保育園を運営する「中和興産」は国と札幌市から合わせて約7300万円の過大支給分の返納を求められています。

 以前、この保育園に勤めていた人は嘘の申告をして「不正請求」していたと話します。

以前勤めていた人
「認可外の人を認可の方に人数に入れての申請をしていました。(実質的経営者の男性が)『この人をこっちに入れてくれ』とか、そこで働いてない職員の名前を入れてくれという指示を私も聞いていました」

 実質的経営者の男性に指示をされ、系列の他の保育園に所属している保育士の名前を記載するなどしていたということです。

 これに関して実質的経営者の男性は…。

実質的経営者の男性
「見込みが外れることもあるし、補助金の概算と精算で差額が生じることはある。手掛けている年商から考えると数パーセント分。差額は返すつもりだ」

 中和興産の法人カードの利用明細書。この月の請求額は約960万円で、決済先には「クラブ」や「メイド喫茶」の文字が並んでいます。

 このうち700万円以上が女性の接待を伴う風俗店での支払いでした。

退園した保育士
「飲みに行くのは仕事だみたいな感じで言っていました。そういうところから『こうやって保育士や子どもを入れているんだ』と言っていた」

 約2600万円に及ぶ補助金の過大支給分が返ってきていない札幌市は…。

札幌市 秋元克広市長
「認可の取り消しも含めて法的な対応というか、法に基づいた対応を検討していきたい」

 札幌市は園児の転園先が見つかるように調整を進めたいとしています。

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