ゆうちょ銀行=2019年4月15日、曽根田和久撮影

 ゆうちょ銀行は4日、兵庫県伊丹市の伊丹店に勤務していた50代の元男性行員=窃盗罪で実刑確定=が高齢者の顧客7人の通帳などを悪用し、3年余りで総額2240万円を不正に引き出していたとする内部調査結果を発表した。男性は「借金を返済するためだった」と説明。銀行は7人に謝罪したうえで被害を穴埋めしたという。

 銀行によると、男性は顧客の依頼を受けて通帳を一時的に預かる業務を担当。2020年6月~23年10月、顧客から暗証番号を聞き出し、現金自動受払機(ATM)で現金を繰り返し引き出していたという。

 男性は23年10月、窃盗容疑で兵庫県警伊丹署に逮捕され、翌11月に懲戒解雇となった。その後に起訴された男性の判決で神戸地裁伊丹支部は24年4月、顧客4人分の現金1950万円を無断で引き出したと認定。懲役3年6月の実刑を言い渡した。

 銀行は他の顧客3人の被害についても調査を続け、「事件としては立証できなかったが、疑義が払拭(ふっしょく)できない」と判断。これにより被害が2240万円にまで積み上がったという。銀行は「信頼回復に向けて全行を挙げて再発防止に取り組む」とコメントした。【古川幸奈】

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