2月に佐賀県内でのAM放送を休止し、ワイドFMによる放送のみとなった「NBCラジオ」は、放送が聞けなくなったリスナーがいるため小型FMラジオ計2000台を県内在住者に無料配布する。2025年3月までイベントなどで順次配布する予定。【西脇真一】
ワイドFMの周波数帯域に対応しない古い機種で聞いていた人から「聞こえなくなった」「撤退するのか」などの声が寄せられたためで、同社は大量配布で存在感をアピールしたい考えだ。
全国の民放AMラジオ局は28年までのFMへの一本化を目指している。NBCラジオを運営する長崎放送(長崎市)は国の「AM停波実証実験」に参加し、佐賀エリアで2月5日にAMを休止した。民放AMラジオ局が県全域で休止したのは、全国で佐賀と山口だけだという。
長崎放送が設置した問い合わせ窓口にはこれまでに「聞こえなくなった」などの声が142件寄せられた。また、NBCラジオ佐賀局(佐賀市駅前中央1)に電話で尋ねたり直接聞きに来たりする人も。
そこで「【佐賀開催】NBCラジオをあげます。~NBCラジオFM化計画~とにかく聴いてほしいから、FMラジオを計2000台プレゼントしちゃうぞ! の巻」の実施を決めた。
第1弾として15日に佐賀市の商業施設「ゆめタウン佐賀」でアプリを通じて応募した県内在住の人を対象に100台を配る。その後は各地でイベントを開くなどして年度内にすべて配布する計画だ。
FMは津波などの影響を受けにくく、佐賀局の村山仁志局長は「これから出水期に入る。災害時に役立つコンパクトラジオで放送を聞いてほしい」と話している。配布の詳細は長崎放送のホームページで。
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