原爆死没者の名前を記す森田孝子さん=長崎市魚の町で2024年6月3日午前10時10分、尾形有菜撮影

 長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典で奉安される原爆死没者名簿に、新たに判明した犠牲者の名前を書き加える「筆耕(ひっこう)」が3日、長崎市役所で始まった。

 2023年8月1日以降に新たに死亡が確認された約3300人分を記す。名簿3冊分で、名簿は計203冊になる見通し。筆耕は8月5日まで約2カ月間続く。

 02年から担当し、同市の書道講師で被爆2世の森田孝子さん(76)が今年も筆を執った。死没者の名前と死亡日、死没時年齢を一筆一筆、丁寧に書き「毎年、向き合う筆耕は特別な思いがある。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りしながら、今年も心穏やかに筆耕したい」と話した。

 筆耕は1968年に始まった。23年8月9日現在、200冊の名簿(うち1冊は無記名)に19万5704人の名前が記されている。【尾形有菜】

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