米軍と航空自衛隊が滑走路を共用する三沢基地(青森県三沢市)周辺の住宅地で戦闘機などによる移転補償の対象外となっている地区の住民に対し、移転の意向を尋ねたアンケートの集計結果が5月31日、三沢市議会基地対策特別委で公表された。移転を希望する住民は8割近くにのぼり、騒音問題の根深さが改めて浮き彫りになった。
対象地区は岡三沢5、6丁目に住居を所有し、住んでいる108世帯。93人から回答があった。現在住んでいる場所から移転することを希望する人は73人(78・5%)、希望しない人は3人(3・2%)、決めかねている人は17人(18・3%)だった。
移転を希望する人のうち、集団移転を希望する人は37人(50・7%)、個人移転を希望する人は29人(39・7%)、いずれも選択している人は7人(9・6%)だった。
アンケートの自由記述には「1日でも早く移転できるようにお願いします」「今後も懇談会を実施して移転に向けていき違いがないようにお願いしたい」などの切実な訴えが並んだ。一方、移転を希望しない、決めかねている人の理由として「家族の意見がまとまっていないから」「金銭補償がいかほどかわからないため」などが選ばれていた。
23年から国による騒音度調査が実施されており、新たな対象区域の指定は25年度中の見通し。市の担当者は「アンケート結果をふまえ、国にも要望しつつ対処していきたい」と説明した。【松本信太郎】
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