那覇市久茂地のデパートリウボウ7階にある書店「リブロリウボウブックセンター店」が31日、21年間の歴史に幕を閉じた。営業を終える午後8時まで利用客の訪問は途絶えず、別れを惜しんだ。
文教図書から営業を引き継ぎ、2003年5月に開店。最新の雑誌やビジネス本、沖縄関連本などを扱う街中の本屋として県民に長く親しまれた。
文教図書時代から30年余通う那覇市の国場和修さん(45)は、店内のメッセージボードに「人生の半分はここのおかげで成り立っています」と記した。「もっと通いたかった」と、この日は6冊を購入した。
店内のベンチで本を読んでいた那覇市の女性(74)は「地下での食料品の買い物と、ここに来るのはセット。最後の日なので来たかった。寂しいですね」と感慨深げだった。
大森伸吾店長(40)によると、閉店前日から客足が多かった。「県民の方には愛着、なじみのある店で、閉店に伴いたくさんお声がけもいただき大変ありがたかった。この店に着任してまだ1年で、お客さまに恩返しもできず、非常に残念です」と話した。
勤務歴17年の名嘉幸枝さん(41)は「まだ実感が湧かない。従業員もお客さまもみんな良い人で、ここで働いている人はみんな長く勤めている。楽しかった」と振り返った。
書店のない南大東島で同店が実施してきた出張販売は、ジュンク堂書店那覇店が引き継ぐ。久茂地都市開発によると、後継テナントは屋内遊具施設「ザキッズ」に決まり、7月にオープンする予定。
(社会部・勝浦大輔)
(写図説明)最後の営業を終えて、利用客らに感謝の気持ちを伝えるリブロリウボウブックセンター店の大森伸吾店長(右)=31日、那覇市久茂地(竹尾智勇撮影)
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