小売業などの産業別労働組合「UAゼンセン」群馬県支部は31日、山本一太知事に対し、従業員が顧客から著しい迷惑行為を受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防止する県条例の策定を要望した。山本知事は「県民が安心して働ける環境整備に取り組みたい」と述べ、前向きに検討する考えを示した。
蒲原清天支部長は「適正なクレームはサービスを向上させる側面があるが、悪質性が高いハラスメントで長時間の拘束や人格攻撃が起きている」と述べ、条例策定に加え、ガイドラインなどでカスハラに当たる禁止行為を示し、罰則規定を明記するよう求めた。
UAゼンセンが今年、全国で3万人以上に調査した結果、47%が直近2年以内にカスハラ被害を受けたと回答した。同県支部によると、県内のスーパーでは、商品に問題はなくても「まずい」と返金を求められたり、客の自宅に呼ばれて長時間拘束されたりして、心を病んで退職する従業員もいるという。他県では鍋の具材が不良品だったと主張した客が、自宅の流しの排水溝に捨てた具材を店員に食べさせた例もあった。県支部流通部門協議会の小薬伸康議長は「働く労働者を守ってほしい」と話した。【田所柳子】
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