原子力規制委員会は31日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の敷地内にある断層について審査会合を開いた。原電は活断層ではないと説明したが、規制委は根拠が乏しいとして「断層の活動性を否定することは困難」との見解を示した。規制委は6月上旬にも現地調査を行うなどして原子炉直下まで断層が延びていないかを審査する。
2号機を巡っては、規制委の有識者調査団が2015年、原子炉直下の断層が「将来活動する可能性がある」とする報告書をまとめた。新規制基準では、活断層の真上にある原発の運転を認めず、原電はこれを覆さなければ運転できない。
原電は同年に再稼働を目指して審査を申請、「活断層ではない」と主張してきた。その後、資料の無断書き換えなどが発覚して審査が2度中断。23年8月に資料を再提出し、審査が再開された。
規制委は原電に断層が原子炉直下に延びている可能性を指摘しており、7月までに回答することを求めたが、原電は時間を要するとした。これに対し、規制委の石渡明委員は「主にそちらの事情で中断も入ってこうなっている。審査に相当な資源を使っている」と期限内に回答するよう迫った。
また原電は再提出した資料などに誤記が6カ所あったことも報告。石渡委員は「(誤記があったのは)連続性を議論する一番大事な部分。本来あってはいけない間違い」と苦言を呈した。【木許はるみ】
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