専門家「稚拙な犯行」金銭目的で“発砲”？行方は？タクシー“銃撃”男が逃走中

埼玉県川口市の住宅街で29日、タクシーの運転手が、乗っていた男に拳銃のようなもので撃たれ、全治4週間の重傷を負いました。男は逃走中で、警察が行方を追っています。

■防犯カメラに発砲のような音

現場からわずか100メートルの距離にある幸町小学校。30日は集団下校が行われました。

所村武蔵アナウンサー
「先生によって複数人が引率されていますが、規制線内に帰っていく生徒の様子があります。小学校のほど近くで今回の事件は発生しました」

警察によると、男は50〜60代くらい、全身黒ずくめで、メガネと白いマスクをしていたといいます。

“発砲音”を聞いた住民
「ポーンという音がした。物が落ちたような音。音は小さかった。近くにいたので聞こえた。そんなに大きくない音」

腹を撃たれ重傷を負った運転手は、近くのコンビニに駆け込み、店長が110番通報したといいます。

警察によると、男がタクシーに乗ったのは東京北区のJR赤羽駅周辺。約3キロ離れた現場付近に行くよう伝えました。目的地に到着し、支払いになると、男は「金を出せ」と言ったそうです。運賃が払えなかったからなのか、それとも最初から強盗目的で乗車したのか、男の動機は判然としません。

その後、男は駆け足で大通りに出ると、南に向かったことが確認されているといいますが、それ以降の足取りはつかめていません。拳銃らしきものも見つかっておらず、今も犯人が持ち歩いている可能性があります。

住民たちは気が気ではありません。

近くに住む人
「怖いですよね。よくニュースで、よその土地の事件をやっているけれど、ここの近くでそういうことがあり、他人事ではなくなった」
「心配ではある。（子どもを）1人にはさせない。いつも習い事に1人で行かせているのを、1人では行かせない」
「（Q.拳銃を持った人が逃げていて怖い）すごい怖い」

警察は、男に土地勘があった可能性を含めて行方を追っています。

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■男の行方は…

元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんに聞きました。

佐々木成三さん
「拳銃を所持している点から、ある程度の計画性があるとみられるが、今回の犯行は稚拙な点が2つある」

（1）“拳銃”のようなものを発砲

佐々木成三さん
「発砲すると薬莢（やっきょう）や硝煙反応といった証拠が増える」

（2）タクシーを狙った強盗

佐々木成三さん
「大半のタクシーにドライブレコーダーがあり、電子決済の増加により、車内にある現金も減っている。金銭目的だとしたら、かなり粗雑な犯行。こうした人物が銃を持って街に潜伏しているのは非常に危険」

（Q.今後の捜査のポイントは）

佐々木成三さん
「周辺の防犯カメラをリレー式に捜査し、逃走ルートを追う。同時に犯行前の赤羽駅周辺での足取り捜査も重要。使用された銃の特定。現場に残されているとみられる薬莢から、過去に犯罪に使用された銃かを特定できる」