事件前に原さんが訪問したとみられる西高舞容疑者の実家=東京都大田区で2024年5月27日、横見知佳撮影

 多摩川の河川敷で原唯之さん(46)=東京都江戸川区=の遺体を遺棄したとして、元交際相手の西高舞容疑者(32)=大阪府高槻市=ら5人が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、原さんの足取りが舞容疑者の実家(東京都大田区)を訪れた2023年12月中旬を最後に途絶えていることが29日、捜査関係者への取材で判明した。県警捜査1課は、原さんが実家で容疑者らと会った際に事件に巻き込まれたとみて調べている。

 捜査関係者によると、原さんは12月16日前後に江戸川区の自宅を出た後、交際関係を解消していた舞容疑者の実家を訪問したという。実家には母の美保(51)と兄の昌吾(34)の両容疑者が暮らしていた。

 県警は関係各所の防犯カメラの映像を詳細に分析。原さんが東京都江戸川区の自宅を出て大田区の実家があるアパートまで移動したことは追跡できたが、訪問後にアパートから外に出る原さんの姿は確認できていないという。

 捜査1課は、原さんの訪問前後に、舞容疑者と父親の昌浩容疑者(53)=千葉県船橋市、交際相手の岩城周平容疑者(39)=大阪府高槻市=を含む5人全員がアパートに集合した可能性があるとみている。

 原さんの遺体は、この訪問と同時期に大田区の多摩川河川敷でスーツケースに入れられて遺棄されたとされる。捜査関係者によると、防犯カメラには実家のアパート近くの路上でスーツケースを運ぶ昌浩、昌吾、岩城の3容疑者の姿が写っていたという。5人の一部は「3人がスーツケースを運んだ」と供述。遺棄現場近くでも容疑者らの姿は確認されているという。

 捜査1課は、原さんの死亡の経緯と遺体を遺棄したとされる5人の役割分担について詳しく調べている。【宮本麻由、矢野大輝、横見知佳、柿崎誠】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。