夕日に染まるノースマウンテンと明かりがともり始めたアレンデール城の広場=千葉県浦安市で2024年5月7日午後6時29分、石塚孝志撮影

 東京ディズニーシー(TDS、浦安市)8番目となる新エリア「ファンタジースプリングス」で7日、開業前の報道公開があった。あいにくの雨の中、還暦前のおっさん記者も、一足先にファンタジーの世界に飛び込んだ。3回にわたって、TDSの新アトラクションの魅力を紹介する。(第1回)

 TDSの既存のエリア側から、新エリアの入り口に向かうと、「ピーターパン」や「アナ」と「エルサ」、「ラプンツェル」などをかたどった巨大な岩山と泉が出迎える。トンネルを抜け、「魔法の泉」の世界に足を踏み入れた。

 新エリアは「アナと雪の女王」、「塔の上のラプンツェル」、「ピーター・パン」の三つの映画のゾーンにある四つのアトラクションとホテルなどで構成。正面には、アナ雪に登場する「ノースマウンテン」と「エルサの氷の宮殿」。雪に覆われた山と、青く光る宮殿に気持ちが高ぶる。左手には「ピーターパンのネバーランド」ゾーン、右手には「ラプンツェルの森」ゾーンが広がる。

無数のランタンに気持ちも高揚

 右手に進み、最初のアトラクション「ラプンツェルのランタンフェスティバル」(約5分)を体験。大泥棒「フリン・ライダー」と恋に落ちたラプンツェルが小舟に乗って、夜空に上がる無数のランタンに包まれる――という映画の幻想的な場面をどう再現するのかに期待して搭乗した。

アトラクション「ラプンツェルのランタンフェスティバル」=千葉県浦安市で2024年5月7日午前11時39分、石塚孝志撮影

 塔の窓でラプンツェルが歌い、その下でフリン・ライダーが心配そうに見上げ、その彼をしつこく探す白馬「マキシマス」が激しく鼻を鳴らす。音と動き、電子制御の三つの要素を結合させた「オーディオ・アニマトロニクス」と呼ばれる機械人形は手足や体だけではなく、目やほお、口の表現、皮膚の感覚までリアルに動く。

 ボートは屋内に進み、航路の先に赤くともったランタンが見えてきた。洞窟を抜けた暗闇の空間に、ラプンツェルとフリン・ライダーが乗った小舟を無数のランタンが包み込み、圧倒的な音量の音楽と歌と光で満たされる。ランタンはすべて実物だ。リアルな映画の再現にこだわった思いが伝わり、体験後も高揚した気持ちは冷めなかった。

 二つ目に乗る予定だったアトラクションがシステム調整となり、時間ができたので、新エリア内を歩いてみた。約14万平方メートルで東京ドーム3個分の面積にあたる。しかし、ホテルを含む4ゾーンは思ったほど離れているようには感じなかった。それぞれのアトラクションが、新エリアの中心に近い場所に入り口があり、後方に向かって施設が広がっていることが理由だ。【石塚孝志】

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