秋田県鹿角市十和田大湯で遭難者捜索中の男性警察官2人がクマに襲われ負傷したことを受け、秋田県は21日、現場周辺地域を入山禁止にした措置の周知を青森、岩手、宮城、山形各県に要請した。この地域は他県からタケノコ採りに来る人も多いことから、注意喚起を県外にも広げた。
警察官2人がクマに襲われ、近くで遺体が見つかった現場付近は十和田湖の南端から1・5キロほどに位置し、発荷峠展望台にも近い。一帯の林道の入り口には「人身事故防止のため、この先は山菜採取による入山禁止」と書かれた看板が立てられ、近くにある紫明亭展望台の駐車場は閉鎖されていた。
この地域でタケノコ採りの経験がある鹿角市の50代男性によると、この一帯は比較的平らで、味のいいタケノコやワラビが採れる場所として知られることから、秋田県内にとどまらず青森、宮城両県などからも農業関係者らが頻繁に訪れているという。
だが、現場は草木がうっそうと生い茂り、方向感覚を失いやすい。「1キロもやぶの中に入ると、迷ってしまう危険がある。せいぜい中に入るのは道から50メートルくらいまでが限度」と男性は話す。この地域はクマの行動範囲にも重なり、「旬のタケノコを巡って人とクマが行き交い、鉢合わせが起こりうる場所」だ。やぶにはマムシやハチも潜んでおり、危険と隣り合わせだ。
男性は「クマは基本的に雑食なので、一度人を襲うと、餌だと認識し、何度も襲ってくるようになってしまう。山菜採りには決して1人では行かず、複数で出かけた方がいい」と指摘した。【工藤哲】
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