佐賀県神埼市が発注したふるさと納税PR強化事業の業務委託契約を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害罪に問われた前神埼市長の内川修治被告(72)は20日、佐賀地裁(岡崎忠之裁判長)で開かれた初公判で「異論はございません」と起訴内容を認めた。
また、内川被告と共謀し情報提供を受けたとして、同罪に問われた同市のコンサルタント会社「ブルー・フラッグ」(清算済み)の元代表取締役、島由美子被告(62)も「全て認めます」と起訴内容を認めた。島被告については検察側が懲役1年を求刑し、即日結審した。
検察側は冒頭陳述で、内川被告は市長当選前、島被告から「市のふるさと納税事業に関わりたい」との意向を聞いたと指摘。実績のない同社が業務に携われるよう、総合評価の公募型プロポーザル方式で契約を実施するよう担当者らに指示した上で、島被告に契約に関する秘密事項を交付したと主張した。
この日は島被告の被告人質問もあった。島被告は「プロポーザルに勝つのは難しいのではと思い、内川被告に無理に頼んだ」と述べ、「会社を立ち上げたばかりで仕事が欲しかった」と説明した。弁護側は島被告が「反省している」として寛大な判決を求めた。
起訴状などによると、内川被告は公募型プロポーザル方式による契約で同社に受託させるため、2023年2月8日ごろから同年3月3日ごろの間、島被告に秘密事項である評価委員の氏名を漏らしたり、他の入札参加事業者の提案書を提供したりするなどしたとしている。【五十嵐隆浩】
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