逮捕されたつばさの党代表の黒川敦彦容疑者=東京都千代田区で2024年5月17日午前10時45分、和田大典撮影

 4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り、政治団体「つばさの党」の代表らが公職選挙法違反の疑いで逮捕された事件で、警視庁が、選挙中のつばさの党による他陣営への妨害行為を少なくとも15回確認していたことが捜査関係者への取材で判明した。選挙カーを追い回す交通妨害も含まれており、警視庁捜査2課は自由妨害容疑で立件する方針。

 警視庁は17日、東京15区補選が告示された4月16日に、JR亀戸駅前(東京都江東区)で、乙武洋匡氏(48)陣営の演説を妨害したとして、つばさの党代表の黒川敦彦(45)と、補選に立候補して落選した党幹事長の根本良輔(29)両容疑者ら3人を公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。

 捜査関係者によると、他にも15区補選に候補者を擁立した複数の陣営が、つばさの党に選挙活動を妨害されたとする被害届を警視庁に提出していた。

 警視庁が、つばさの党の事務所などへの家宅捜索で押収したパソコンのデータや資料などを基に精査したところ、拡声器を使って大音量で怒鳴ったり、太鼓をたたいたりするなどして、他陣営の演説を妨害する行為が少なくとも5回確認された。「カーチェイス」と称して、他陣営の選挙カーを長時間追い回す交通妨害も少なくとも10回あった。

 こうした選挙活動への妨害行為は他にも確認される可能性があるという。

 また、選挙カーの運転役や、動画投稿サイト「ユーチューブ」などに妨害行為を撮影した様子を配信する役割を担っていたとして、つばさの党の複数の関係者についても、立件の可否を検討している。

 つばさの党は、他陣営への妨害以外に、政治家やマスコミ関係者らの自宅前などでの街宣活動も繰り返しており、警視庁が全容解明を進めている。【遠藤龍、森田采花】

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