今年1月から3月に自宅で亡くなった65歳以上の人は約1万7000人、年間では6万8000人となる推計が明らかになりました。社会的な孤独・孤立にどのように対応していけばよいのか、取材しました。
■高齢者の孤独死 年6万8千人
警察庁 長官官房審議官
「自宅において死亡した一人暮らしの方、65歳以上は1万7034人となっている」
13日、警察庁から公表されたのは、全国で今年1月から3月に自宅で亡くなった一人暮らしの高齢者の数、1万7034人。年間の死者数は、約6万8000人に上る可能性があるといいます。
東京・巣鴨にいる、高齢者に話を聞いてみました。
一人暮らし(70代)
「(Q.独居高齢者が多く亡くなっているが)しょうがないよね、運命だね。正直言ってね、やっぱり一人は寂しいね」
夫婦暮らし(80代)
「(Q.孤独にならないように工夫していることは)常に2人でいるようにはしているけどね」
「(Q.もし1人になった時にどうする)そういうのは今話しだしているところ」
「(Q.どんな話を)介護施設に入るとか少しは気にしている」
娘家族と同居(70代)
「同居していても若者たちとは生活空間が違う」
「(Q.まざりたい気持ちはある)あるけど、邪魔になっちゃいけないというのがある」
一人暮らしの高齢者が今後増加していくなかで、孤独で社会とのつながりが少なくなると脳卒中や認知症の発症リスクが高まるともいわれています。
■孤食対策「バーチャン・リアリティ」
一人暮らしの孤独な食事「孤食」を食い止める対策として行われている取り組みに。
おばあちゃんの映像
「おはようさん。朝ごはんの支度がちょうど今できたとこやさかいに」
兵庫県南あわじ市が2017年から行っている、一人暮らしの孤食対策「バーチャン・リアリティ」。映像の中にいるおばあちゃんと一緒にごはんを食べられます。この動画の担当者は。
南あわじ市 食の推進課 土井孝行係長
「一人暮らし・高齢者の方も多いので孤立・孤食にならないようにという思いで取り組みをしている。やっぱり一人で食べるのは味気ないし大勢で食べるとおいしいと聞くので」
大家族との食事の映像
「ポン酢まわしてな!」
「おじいちゃんが買ってくれたプリン食べた〜い」
まるで大家族と一緒にご飯を食べたような感覚を疑似体験することができます。
北星学園大学 中田龍三郎准教授
「一人でいる状態であっても、鏡で自分を見ながら食べるとごはんがおいしくなる。実際、高齢者と大学生で確かめているんですが、バーチャルな状態でも美味しくなる。映像上の他の人を見ながら食べると、一人で食べるよりはおいしく感じるのでは」
■「孤食」削減をビジネス活用
「孤食」を減らす取り組みをビジネス活用する動きも。
孤食を減らしだんらんを増やすため始めたスタートアップ企業「shokujii」によるランチ会では。
この日集まった参加者は、ほとんどが一人暮らしの20代から50代の12人。
月におよそ30回、コミュニティースペースや高齢者施設などで、いろんな人が一緒に食事しながらコミュニケーションをとっています。
公認会計士 曽我健さん(41)
「41歳で一人で生活しているので、良い出会いがあったらいいなという気持ちもあって参加している。家でも猫飼っているので寂しくないが、猫は会話相手になってくれないので…」
エンジニア 佐藤麻優さん(29)
「やっぱり楽しくなる。ご飯がよりおいしくなった気もする。1人のときは料理をする面倒くささ。(メニューの幅も)そんなに広がらないが、みんなで食べるとなったら幅が広がる」
ニジュウニ 安川尚宏社長
「コロナ禍で孤独は一番つらいと感じたと思う。あの状態には二度と戻りたくないし、そういう思いを持つ人が一人でも減らすことができたら」
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