5年ぶりになんばグランド花月(NGK)の舞台に登場した「宮川大助・花子」=大阪市中央区 ©吉本興業

夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」が23日、なんばグランド花月(NGK、大阪市中央区)の本公演に5年ぶりに出演した。花子さんは血液のがんの一種である多発性骨髄腫のため闘病中。車いすに乗った花子さんを大助さんが押して舞台に登場すると、客席からひときわ大きな拍手が起きた。

脊柱管狭窄症の手術を受けた大助さんも腰に痛みを抱えており、いすに着席。2人そろって座ったままの漫才に、賞レースの名称になぞらえ「これがほんまの『座・MANZAI』」と言って笑わせた。

漫才では互いの病気について掛け合いを披露した。大助さんが以前、脳出血で倒れたときのことを、花子さんが「びっくりしたわ。脳がないのに出血て」と強烈なツッコミを入れた。

出番を終えた花子さんは「何とか生きて舞台に戻ってこられました」。漫才には昨年復帰したが、午前と午後の2回公演は初めてで、前日まで出演を悩んだという。舞台上で長く話すと血圧が下がり、看護師らからは休憩中に血圧を測り、水分をとるよう言われたと明かす。

5年ぶりに立ったNGKの舞台出演後後の「宮川大助・花子」=大阪市中央区

客席からは2人にエールを送るような大きな拍手が起きた。大助さんは「漫才は舞台から客席にエネルギーを送るもの。でも今はエネルギーをもらっている。だから嫁はんは舞台に出るたびに元気になる」と感謝。花子さんも「ありがたいことです」と重ねた。

花子さんは現在も抗がん剤治療を続けている。リハビリは「めちゃくちゃしんどい」としつつ、「早く立ってセンターマイクに行きたい」と力強く語る。

そして介護する大助さんに「介護男子です」と謝意を示すと、大助さんは「好きで一緒になった女房。大事にするのは当たり前」と返し、夫婦として支え合う時間を過ごす中で「2度目の恋をしています」と明かした。(藤井沙織)

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