「366日」 フジテレビ系 月曜午後9時
フジテレビの伝統的なドラマ枠「月9」で初主演。HYのヒット曲「366日」に着想を得たオリジナルストーリーで、主人公の雪平明日香を演じる。学生時代から大好きな曲がモチーフなだけに、「純粋に運命だなって思いました。自信持って歌えるのはこの曲だけだったので、うれしかった」と明かす。
366日は、HYが平成20年にリリースしたアルバムの収録曲だ。「1年中あなたのことを思っても足りない。だから1日足した」という思いを込め、人を深く愛することを歌っている。
「内に秘めて人に言わないような言葉をつづっていて、切なくなるような、ちょっと心がキュッとなるような曲。友達の失恋会とかで歌っていました。大人になっていろんな経験をするにつれ、言葉一つ一つの重みや、人間らしさがむき出しになっている言葉を、ぐっと深く感じることができるようになりました」
音楽教室の事務受付として働く28歳の明日香は、高校の同窓会で、かつて好きだった水野遥斗(眞栄田郷敦)と再会する。連絡先を交換した2人は、12年越しに交際することに。だが、遥斗を悲劇が襲い-。「恋愛しなくても幸せになれる時代に、人を愛することに全力で向き合うってどういうことなんだろうって、台本を読みながら、楽曲を聞きながらすごく考えてます」と語る。
明日香と遥斗は高校時代に同じグループでいつも一緒に過ごしていた。周りからも付き合うと思われていたが、すれ違い、卒業してしまった。「すごい胸キュンセリフや壁ドンみたいなのがあるわけではないんですが、胸打たれるシーンがある。何げない通学路での会話や、みんなの集まりがすごく青春なんです」
遥斗の言動に一喜一憂し、会えない間に思いを募らせる。恋愛中の心の揺れが丁寧に描かれる。明日香について「スッと気遣いができる、人を優先させる子。私は体育会系で育ったのでキャラクター的には反対。でも、私が明日香ちゃんの友達だったら絶対にかわいがります」。
無邪気に夢見ることができた学生時代と違い、20代後半は仕事での悩みや将来への不安など現実が重みを増す。「等身大の子が集まっているお話なので、恋だけじゃなくて友情面とか、人間らしいやりとりがたくさんある。きれいごとだけじゃない、人間ドラマになっています」
価値観が多様化し、ドラマでも純粋なラブストーリーは少なくなってきたが、「人を思う気持ちは、すごく勇気がいるけれど、とても真っすぐで美しいものだっていうことを見てもらえたら」。(油原聡子)
<ひろせ・ありす>平成6年、静岡県出身。21年、ミスセブンティーン2009に選ばれ、雑誌の専属モデルに。俳優としては29年のNHK連続テレビ小説「わろてんか」で注目された。「マイ・セカンド・アオハル」(TBSテレビ)、NHK大河ドラマ「どうする家康」など出演作多数。
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