米沢市の栗子山で進む風力発電計画について、米沢市が記者会見を開いた。近藤市長は事業者側の説明が不十分として、改善されなければ計画に反対する場合もあると述べた。
この計画は、JR東日本エネルギー開発が米沢市・栗子山に発電用の風車10基を建設し、2028年度の稼働を目指しているもの。
計画地の周辺では絶滅危惧種・イヌワシの生息が確認されたが、事業者側は「営巣地は建設予定地から10キロ以上離れていて問題はない」とする準備書を県などに提出している。
この問題をめぐっては、日本イヌワシ研究会が事業の中止を求める要望書を吉村知事に提出しているほか、米沢市では事業に反対する市民有志が団体を立ち上げ、これまでに約4900人分の反対署名を集めている。
(米沢市・近藤洋介市長)
「市の見解としては、『十分な説明は果たされていない』という認識」
米沢市の近藤市長は、13日、県に提出した“意見書”について説明する臨時の記者会見を開き、「事業者側の市民への説明が不十分である」との認識を示した。
意見書では、「イヌワシ・クマタカなどの野生鳥獣や生態系の保護」「騒音や振動などの公害対策」「景観への配慮」など、5項目・12点について、事業者側に適切な対策を講じるよう求めている。
加えて、今後早い段階で市民に対する説明の場を設ける必要があるとし、果たされない場合には、「市として計画に反対する可能性がある」と述べた。
(米沢市・近藤洋介市長)
「米沢市としては、本計画は是認しない、すなわち反対する可能性がある。事業者には不安を払しょくするような対応をしていただきたい」
13日の会見を受け、事業の白紙撤回を求める市民団体「米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会」は、15日に市内で会見を開き、市の方針への受け止めを発表するとしている。
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