東京・北区、十条銀座商店街で人気を集めるこの店は、香ばしいタレの香りが漂う焼き鳥や、カラッと揚がったから揚げなど、国産の鶏肉にこだわった鶏肉総菜の専門店。

利用客「魅力はやっぱり安くて、味もおいしくて」、「お肉の中だと鶏って値段が安かったりするので、比較的よく買う。チキンボールとか(1個)10円だったりするので」

看板商品は、1個10円の創業以来、約60年値上げ知らずの「チキンボール」。

安くておいしい家計の味方、鶏肉。
ところが、今後について不安な点が...。

鳥大・大杉雄造さん「ブラジル産(鶏肉)が値上がって、みなさん国産を使うようになれば、当然国産も値上がると思うんですけど...」

鶏肉の値上がりにつながりかねない不安の種となる事態が、地球の反対側ブラジルで起きていた。

4月末から降り続いた大雨で、大規模な洪水に襲われたブラジル。

洪水の被害者「世界が終わってしまったのか。すべてを失いました」

南部のリオグランデドスル州では、街が丸ごと水没してしまったように見える。

航空機が湖に不時着したかのような光景が広がったのは、サルガド・フィーリョ国際空港。
滑走路も一部を残し水没していた。

周囲が水に覆われたサッカースタジアム。
スタジアムは内部まで水に漬かり、芝生が全く見えない状態。

現地メディアは、豪雨による死者が100人なったと報じた。

見渡す限り一帯が水没した街では、屋根に取り残された馬の姿があった。
さらに養豚施設から逃げ出したのか、濁流の中を豚が泳ぐ様子も見られた。

農作物が水に漬かるなどの被害も確認されるなど、ブラジルの農畜産業にも影響が及び始めている。

日本に輸入される鶏肉の約7割を占めるのがブラジル産。

(株)藤森畜産 代表取締役・藤森秀浩さん(55)「(Q. 鶏肉の仕入れ値は)ブラジル産の方が全然安いです、国産よりも。国産には劣りますけど、食べても全然おいしいですし、安価で使い勝手もいい」

国産に比べ、安さが魅力のブラジル産鶏肉。

現在の仕入れ価格は1kg当たり360円。
しかし、3年前は約260円だったといい、やはり物価高などの影響で値上がり傾向にあるという。

もしも洪水の影響が長期化した場合、ブラジル産鶏肉がさらに値上がる可能性があるという。

(株)藤森畜産 代表取締役・藤森さん「今すぐに影響っていうのはまずないと思うんですけど、長い目で見ると、2カ月後・3カ月後に、もしかしたら(値上がる)可能性はあるかなと」

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