きょうもじりじりと円安が進んでいます。こうした中、先月、市場に“円安容認”と受け取られた日銀総裁は、発言のトーンに変化が生じています。

東京外国為替市場では日米の金利差が当面は縮まらないとの見方から、円を売ってドルを買う動きが再び強まりました。およそ1週間ぶりに1ドル=155円台となっています。

【“無視”から“注視”。“軌道修正”迫られた日銀総裁】

先月、波紋を呼んだのが、植田総裁のこの発言です。

日銀 植田和男 総裁(先月26日)
「〔Q.(円安の)基調的な物価上昇率への影響は無視できる範囲か?〕はい」

円安が物価上昇に及ぼす影響は無視できる範囲。この「円安容認」とも取れる発言で、円相場は160円台まで円安が進み、政府による為替介入と見られる事態にも発展しました。

政府関係者からは「もう少しまともな発言をしてもらいたい」といった厳しい声も。

しかし、植田総裁。きょうは打って変わって、円安が物価に与える影響についてこう説明しました。

日銀 植田和男 総裁
「過去の局面と比べて、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」

円安が物価上昇につながりやすくなっていると、“円安無視”発言から大きく軌道修正しました。

4月の会合で「ゼロ回答」だった植田日銀。市場では、円安阻止に向けた次の一手に注目が集まっています。

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