ワンコインで食べられる、カフェ・ベローチェのモーニングセット3種(筆者撮影)喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第75回となる今回、訪れたのは「カフェ・ベローチェ」です。

飲食店にて朝限定で提供されるメニュー、通称「モーニング」。発祥は喫茶店と言われていますが、現在はファストフードに牛丼チェーンにファミリーレストラン。カフェに焼き肉に立ち食い蕎麦にドーナツショップなど、さまざまな飲食チェーンが参入しています。

集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

今回ご紹介するのは「カフェ・ベローチェ」のモーニングセットです。母体は、珈琲館やカフェ・ド・クリエなどのカフェチェーン、合計500店舗以上を展開するC-United株式会社。カフェに特化した企業ならではの、魅力的なモーニングメニューをいただいてきました。

カフェ・ベローチェの500円モーニングは3種類

(筆者撮影)

「カフェ・ベローチェ」のモーニング提供時間は開店から朝11時まで。AセットからCセットまで3種類の調理パンとドリンクのセットです。筆者が利用した店舗での販売価格はいずれも税込500円でした(公式ホームページには税込480円〜と記載、店舗により商品価格が一部異なる)。

【画像】土日の朝に食べたい!カフェ・ベローチェの「500円モーニング」の様子を見る(19枚)(筆者撮影)(筆者撮影)・モーニングA トーストサンド とろ~りチーズ&ツナ ~チェダーチーズ~
・モーニングB カイザーサンド サラダチキン ~すりおろし野菜ソース~
・モーニングC トーストサンド とろ~りチーズ&ハム ~モッツァレラチーズ~

セットドリンクは、以下から選べます。

・ブレンドコーヒー
・アメリカンコーヒー
・アイスコーヒー
・紅茶
・アイスティー

ショーケースにはさまざまなパンやサンドイッチが

パンは単品販売もしており、価格はいずれも税込300円。コーヒーと紅茶も単品が税込300円なので、セットでオーダーすると100円お得です。

(筆者撮影)オーダーカウンターのショーケースにはさまざまなパンやサンドイッチが並ぶ(筆者撮影)

オーダーカウンターのショーケースには、惣菜パンやサンドイッチが並んでいるのですが、「ブリオッシュクリームパン」が税込220円、「苺ジャムサンド」が税込150円、「厚焼き玉子サンド」が税込280円など、価格設定は全体的にお手頃でした。

ベローチェは、イタリア語で迅速という意味なのですが、店名に偽りなし。注文して3分ほどでこんがり焼いたトーストサンドが出来上がりました。喫茶店とファストフードのいいとこ取りをしたような、安くて早いカフェチェーンなのです。

「具沢山で熱々のできたてトーストサンドがこのスピード感で出てきて、ドリンクとセットで500円ってすごいなぁ」と感心しきりの見事なオペレーションにより、忙しい朝でも気軽に利用できます。

カフェ・ベローチェのトーストサンド

モーニングA トーストサンド とろ~りチーズ&ツナ500円(筆者撮影)

トーストサンドは2種類。「とろ~りチーズ&ツナ」は、耳付き食パンに、ツナ、チェダーチーズ、サラダほうれん草をサンド。こんがり焼き上げてあり、パンはカリッ、チーズはとろ〜り。食パンにそこそこ厚みがあるので、大きな口でかじりつきました。

とろけるチェダーチーズと、こぼれるツナフィリングはボリューム感抜群です(筆者撮影)

ツナは酸味控えめのマヨネーズであえてあり、ふわりとマスタードが香ります。ケチらずもりもりにサンドされているのが嬉しい。チェダーチーズはこっくり濃厚で、たっぷりツナとの相性も抜群。ほうれん草で味の変化をつけておいしさがアップ。味わいはまろやかだけどボリューミー。

はじっこまでたっぷりつまったツナフィリングに、サラダほうれん草がアクセント(筆者撮影)モーニングC トーストサンド とろ~りチーズ&ハム500円(筆者撮影)

折り重なるようにサンドされたロースハム

もうひとつは「とろ~りチーズ&ハム」。こちらは、ロースハム、モッツァレラチーズ、サラダほうれん草をサンドして焼き上げています。ロースハムは1枚ペラリと入っているのではなく、折り重なるように層になって挟み込まれているので、噛むとじゅわっとハムのジューシーさを味わえます。

ツナサンドよりも、軽い焼き目に調理のこだわりを感じます(筆者撮影)

そしてチーズは、みずみずしくさっぱりとしたモッツァレラチーズ。パンにはトマトソースが塗られていて、クセがなく優しい味わいです。裏側は網の焼き目がこんがりついていました。

 折り重なるようにロースハムがサンドされていました(筆者撮影)

撮影の際は外しましたが、食べやすいようにワックスペーパーで包んで提供されます。慌ただしい朝でも片手で食べやすく、手を汚さずに食べられるので、ありがたい限りです。こういう心遣い、何気ないけど響きますよね。

トーストサンドの下面は網の焼き目がついています(筆者撮影)

安価なトーストサンドに使用されているチーズは、一般的にはプロセスチーズが多いと思うのですが、チェダーチーズとモッツァレラチーズの2種類のチーズを使い分けてくるあたりに、「カフェ・ベローチェ」のこだわりを感じずにはいられません。

ワックスペーパーに入って提供されるので食べやすい。具が洋服にこぼれる心配ナシ(筆者撮影)

サラダチキンのカイザーサンド

モーニングB カイザーサンド サラダチキン500円(筆者撮影)

最後の1種類がカイザーサンドです。バンズに使用されているのはカイザーパン。オーストリアの代表的なパンで、皇帝カイザーの王冠の形に似ていることからこの名前がついたそう。石窯で焼き上げているため、表面の皮が薄くてパリッ、なかは水分たっぷりでもっちりと、豊かな食感を楽しめます。

唯一の冷たいパンで提供されます。サラダ感覚で食べられる(筆者撮影)

具材はほぐしたサラダチキンとトマト、フレッシュリーフ。チキンは胸肉を使用しており、脂質が少ないため、ヘルシーでダイエット中の人でも罪悪感が少なめ。さっぱりした味なので、食欲のない朝でもぺろりといけそうです。

断面図。カイザーパンのもっちり感が伝わるでしょうか?(筆者撮影)

セットドリンクは、ブレンドコーヒーと、アイスレモンティーを選びました。ブレンドコーヒーは、ブラジル、コロンビア、グアテマラなどの豆をバランスよく配合したこだわりの1杯。

カフェ・ベローチェは、珈琲館やカフェ・ド・クリエなどのカフェチェーンを展開するC-United系列のブランドです(筆者撮影)

酸味を感じる軽やかな味わいながら、香りが良くコクもあり、コーヒー好きでも文句なしの完成度です。「カフェ・ベローチェ」は、カフェチェーンの中では、安めの価格設定のお店なのですが、味はさすがのC-United系列。多くの喫茶店チェーンを展開している会社だけあり、本格的なコーヒーを提供しています。

アイスレモンティーも渋みを控えた軽い飲み心地。鼻に抜ける紅茶の香りは華やかで、物足りなさはなく飲みやすい、カジュアルな仕上がりです。「軽くお茶したい」「ちょっと一息つきたい」そんなユーザーのニーズにばっちり合った、変に個性を追求したり格式ばったところがない、肩の力が抜けたおいしさで、絶妙なバランス感に脱帽です。

おしゃれじゃないけどダサくない!絶妙な居心地の良さ

窓際の席で日光浴を楽しみながら、ゆっくり朝ごはんもオツなもの(筆者撮影)

筆者が利用した店舗は100席以上ある大型店。低価格帯のカフェチェーンは、テーブルのレイアウトが窮屈だったりしがちですが、このお店はゆったりとした席間隔が設けられています。インテリアも高級店とはいかないもののチープな印象がなく、どの椅子も座り心地は上々です。

スタバのようなおしゃれさはないのですが、だからこそ幅広い年齢層が肩肘張らずに利用できる、気軽さや居心地の良さにつながっている気がします。カウンター席にはコンセントもあり、無料Wi-Fiも完備。店の奥には喫煙ブースも用意されていました。

「設備の整った居心地の良い重瀬で、ワンコインでモーニングセットが食べられるというのは、かなりお得感あるなぁ」というのが素直な感想です。オフィス街にあるため、平日は常に混雑しているのですが、休日かつゴールデンウィーク中のおかげで、店内は広々としていました。窓際の席に腰掛けて、ガラス越しの景色を眺めながら、ぼーっと過ごす朝もなかなか良いものです。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします

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