全国各地で問題となっているカスタマーハラスメント問題。

過激化する客に対して、大手飲食チェーンが相次いで対策に乗り出しました。

「あんた店長だってさっき自分で言ったよな?嘘ついてんの?」と言いながら、頭を下げる店員の姿をスマホで撮影する男性客。
大手牛丼チェーン「吉野家」で撮影されたカスハラの一部始終です。

注文を巡ってトラブルになり、男性客は「店長を出せ」と要求。

しかし、店長代理が対応したことで客の怒りはヒートアップ。

客:
嘘ついて言ったんだね、店長だってね。あんた自分が店長だと言ったよ。代行ではなく店長だって言ったんだよ。なぜおたくは嘘つくの。正義感出すなよ。

こうしたカスハラに対し、吉野家ホールディングスは2日、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を発表。

吉野家ホールディングス:
従業員の安心安全や人権を守るためにも、カスタマーハラスメントに該当する行為に対しては、本方針に沿って毅然(きぜん)とした態度で対応を行います。

カスハラに当たる客について、「今後の来店を拒否する場合もある」としています。

また、岩手・盛岡市の居酒屋でもこんなやり取りが…。

店主:
いやでももう店終わっているから…。

男:
うるせえ!ビールだ。

店主:
いやビールは出せないです。店終わりました。

年配の男がぶらりと現れ、ビールを出すよう要求。

しかし閉店後のため店主が断ると、男は「もういい!」と叫んだ後、カウンターの上にある椅子を次々と落とします。

さらに店主が「名前と連絡先、教えてもらっていいですか?」と尋ねると、何度も殴る男。

店主は、やむなく110番通報しました。

こうしたカスハラから従業員を守るため、しっかり客にアピールする店も。

ケンタッキーの店舗には、大きく「STOP!カスタマーハラスメント」と書かれ、カスハラに当たる行為をイラストで示したポスターが掲示されています。

2日、日本ケンタッキー・フライド・チキンも「カスタマーハラスメントに対する方針」を発表。

店内にポスターを掲示することで従業員を守り、周知や啓発をする狙いがあります。

来店した客は「良いと思う。従業員も働きやすくなると思うし、抑止にはなると思う」と話しました。

飲食店の仕事でカスハラを経験したという客も「積極的にやるべき。年々お客の要望がハードになっていくと思う。言い分としては分からなくはないが、そこまで言う必要あります?が本音」と話します。

こうした状況に、厚生労働省はカスハラを定義した上で、企業に「対策を義務付ける方針案」を示すなど、従業員を守る動きが広がりを見せています。

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