料理のアクセントに欠かせない調味料・こしょうの価格が今、2倍以上に高騰しています。原因は、一大産地・ベトナムの異変にありました。
■海外農家から「値上げ通告」 料理店悲鳴
こしょうを使った料理 この記事の写真ピリッとした刺激とさわやかな香りで、料理のアクセントとして欠かせないこしょう。取材した店はこしょうを使った料理が専門で、他にはないクセになる味が楽しめると人気です。
客(20代)「こしょうをたくさんかけることができて、スパイスが利いていておいしいです」 客(60代)
「1番と2番(のこしょう)をサラダにかけて食べたんですけど、風味がちょっと違う。食べた後の辛さが、こしょうが残ります」 サンラー胡椒麺
真っ赤なスープに、黒と白2種類のこしょうを練り込んだ麺。黒こしょうは強い辛みと香りが特徴で、白こしょうはマイルドで上品な香り。ミックスすることで、より奥深い味になります。
具材の上には、フルーティーな香りが特徴のピンクペッパーも。さらにお好みで、塩漬けにした粒の生こしょうをかけていただきます。
最初に酸味とうまみが口の中に入ってきて、後からこしょうが利いてきます。最後にこしょうのさわやかな香りと刺激が来ることで口の中がさっぱりして、どんどん食べられます。
仕入れ5カ国、約10種類のこしょう料理に合わせて、5カ国から仕入れたおよそ10種類のこだわりのこしょうを使い分けています。しかし、前の日に取引をするカンボジアの農家から連絡があったといいます。
胡椒饅頭PAOPAO 林準一オーナー「こしょうの仕入れ先から今後、こしょうの需要(に対して)間に合わなくなっていくので、料金を上げていく可能性があるという連絡をもらった」 こしょうの通関単価
こしょうの価格が今、急騰しています。2020年の価格は1キロあたり471円でしたが、去年は1.9倍の917円まで上昇。今年に入っても高い水準を維持しています。
取材した店では料理に使ったり、客が自由にかけたりと、月に10キロものこしょうを消費しています。
「料理の値段を上げることも…」 林オーナー「こしょう料理の店なので、料金的に安いところを仕入れるわけにいかない。おいしいものを仕入れているので、厳しくなってくる。料理の値段を上げることも考えられるかな」
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■96%が輸入品の日本 今後価格どうなる?■96%が輸入品の日本 今後価格どうなる?
ベトナムのこしょうなぜこしょうの価格が上昇しているのでしょうか?輸入業者に聞きました。
新井清太郎商店 米村佳さん「最大の生産国ベトナムで大幅に減産ということになった。生育に対して必要な時期に雨が降らなかったり、日照時間が足りなかった」 天候不順で育たず生産量減少
ベトナムのこしょうの生産量は、世界の3分の1以上を占めています。しかし、天候の不順で十分にこしょうが育たず、生産量が減少。これが価格高騰の主な原因になっています。
食の西洋化で需要増さらに、世界的に食の西洋化が進み、こしょうの需要が高まっていることも影響しています。
米村さん「農家が売り惜しみしちゃっている。(価格が)上がっていくなかで、これからも上がるだろうと考えた農家は、原料をあまり売りたがらない。そういった意味で、原料が市場に少なくなった」 「少し様子を見ていく必要」
国内で流通しているこしょうの96%を輸入に頼っている日本。今後、価格はどうなるのでしょうか?
米村さん「生産の栽培面積を増やしたり、来年はもう少し植えようかなという動きは出てくると思います。植えてすぐこしょうの実が採れるわけではないので、時間がかかる。為替が向こう半年、1年でどういうふうに動いていくのか、少し様子を見ていく必要がある」
(「グッド!モーニング」2024年11月29日放送分より)
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