鳥取市国府町のダムの内部に、地元で生産されたワインを貯蔵する取り組みが始まり、20日に2400本のワインが持ち込まれました。これから3年ほど貯蔵し、熟成の具合などを確認するということです。

鳥取市国府町、袋川上流にある「殿(との)ダム」。ここに貯蔵されるのは、地元の「兎ッ兎(とっと)ワイナリー」が仕込んだワインです。ダムの管理用通路を活用してこれから3年間、試験的に貯蔵されることになりました。
20日は、鳥取市の深澤市長やワインの生産者などが出席して搬入式が行われました。ワインが置かれるのは、ダムの地下15mにある管理用通路。ここに設置されたケースに「メルロー」、「ヤマソービニヨン」などの赤ワイン4種類と「シャルドネ」、「モンドブリエ」の白ワイン2種類の合わせて2400本を3年間貯蔵しながら熟成の具合などを調べます。管理用通路の気温は、年間を通じて15℃前後とワインの貯蔵に適した温度。温度調節の必要がなく、電力を使用しないため、コストがかからず、環境にもやさしい生産者にとって理想的な貯蔵庫だということです。

兎ッ兎ワイナリー・前岡美華子社長:
みなさんが、飲んだだけで美しい殿ダムの景色を思い起こすようなそんなワインになればいい。

この「ダムのワインセラー」の取り組み、殿ダムを活かした地域活動や情報発信を進める「殿ダム水源地域ビジョン」の一環で、鳥取市と生産者、殿ダムを管理する国土交通省が連携して始めました。

兎ッ兎ワイナリー・前岡美華子社長:
地域資源の殿ダムという価値をのせて発信させることにより、ワイン自体の価値観も上がるし、この地域の魅力も発信できる。有効な活用方法させていただいた。

「兎ッ兎ワイナリー」は、貯蔵されたワインを早いもので1年後に出荷し、熟成の具合などを確認することにしています、また毎年2400本ずつ貯蔵庫に追加し、「ダムのワインセラー」の活用を続けたいとしています。
ダムの施設を活用したワインの貯蔵は、鳥取県内では湯梨浜町の東郷ダムでも行われています。3年後にどのような味わいになっているのかその味わいが期待されています。

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