環境対応にすぐれた水素エンジンの進化が加速しています。

先週末、静岡県の富士スピードウェイで行われた耐久レース。

ひときわ大きなエンジン音を響かせていたのは、トヨタ自動車が開発中の“水素エンジン車”です。

2023年から液体水素を使い、航続距離を飛躍的に伸ばすなど、実用化に向けてさらに進化を続けていますが、実は他にも、この日、初公開された注目の車が、水素エンジンと電気モーターの両方を搭載したハイブリッドタイプの新型車「水素エンジンハイブリッド車」です。

助手席部分にバッテリーを搭載。
従来の水素エンジン車に比べて、1回の水素の補給で走れる距離が200kmから約250kmに延びたといいます。

水素エンジンをモーターがサポートすることで、加速性能も向上。

トヨタは、2025年の春からオーストラリアの公道で実証実験を始めるということです。

水素関連の車の進化は、これだけではありません。

トヨタとJAF(日本自動車連盟)が共同開発した「ロードサービスカー」。
特徴はずばり、ガソリンはもちろん水素と電気の補給ができること。

EVや水素から電気を作って走る燃料電池車は、すでにさまざまな所で普及が進んでいますが、そうした車の燃料切れに対応。
100km走れる分の水素ならわずか1分半で充填(じゅうてん)完了。安全確保などの時間を入れても、作業は10分程度で終了するということで、2025年春にも国内で実証実験を始めたいとしています。

水素社会の実現へ。
自らドライバーとして水素エンジン車に乗ってきたトヨタ自動車の豊田章男会長は「私がドライバーとなり、水素(エンジン車)に乗った一番の利点は、(当時は)水素=危険だったんですよね。それが、私がドライバーやっている。そして、レースに出ているということで、水素=未来というようなイメージにちょっとずつ変わってきたと思います」と話します。

遠い未来のエネルギーから、ますます身近にやってきた水素。
進化のスピードは、ますます加速しています。

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