敷地のわずかなスキマを貸し出したり、家の小さなスペースで荷物を預かったりと、いま話題の「スキマビジネス」。わずか1畳あれば1000万円の売り上げも夢じゃないという人気の“スキマ利用”を取材しました。
急増!“無重力感”がウリのスキマビジネス
安住紳一郎アナが「私がよく行く場所の空きテナントに、急に8台ぐらい置かれて何なんだろう」と思ったモノ…。
最近ショッピングモールでよく見かける、近未来の乗り物のような、アレです。
『ららぽーと立川立飛』(東京・立川市)に行ってみると…
THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:
「無重力マッサージって書かれていますよ。既に4台中3台は利用中です」
皆さんが体を預けていたのは、タマゴ型の揺りかごのようなマッサージチェア「あんま王IV」。料金は12分300円です。(※料金・時間は設置場所によって異なります)
リモコンの「無重力」ボタンを押すと、背もたれや座面、足置きが動き…
原部員:
「どんどん下がっていきますね。え、どうなってるの?すごい、ちょっと浮いているような感じがします」
お尻が深く沈み、体はゆるやかなV字姿勢に。膝もゆるく曲がった状態です。
この姿勢こそが、マシン最大の特徴の“無重力感”。
宇宙で無重力状態になった際、体がいちばんラクな姿勢になるそうで、その姿勢を再現した業務用のマッサージチェアなんです。
フェイスカバーをおろせば、周囲の視線も雑音もシャットアウト。プライベート感覚でマッサージを満喫できちゃいます。
「なんですかこの気持ちよさ。太ももとおしりの境目あたりも揉みほぐしてくれる」と恍惚の表情の原部員。他の利用者も…
50代女性
「足とかお尻とか全身やってくれるので、なかなかこういうのはないかな」
20代男性
「すごい気持ち良かったので、可能であれば家に欲しい」
ちなみに、業務用ですが個人での購入もOK。
1台58万800円という値段ながら、開発メーカー『日本メディック』の売り上げは右肩上がりで、2023年は過去最高の12億円超とのこと。
実は、あんま王がこれだけ人気となった背景には、驚きの「スキマビジネス」チャンスが隠されていたのです。
あんま王で「スキマビジネス」ナゼ人気?
1畳分のスペースがあれば設置できるあんま王は、ここ数年で「スキマビジネス」としての人気が急上昇。
コインランドリーやジム、ネットカフェ、車の整備・点検を行う店や空港など、色々な所に設置されていますが、人気のウラには“ある秘密”が!
それは、一定の条件を満たせば「設置費用0円」かつ「売り上げは設置場所と開発メーカーが分け合う」というシステムで、かかる費用は電気代のみ!(※設置は購入・レンタルも可)
東京・調布市のコインランドリー『LAUNDRY CIEL BLEU』調布富士見町店では、空いたスペースに置いているだけで、月5万円以上も売り上げがあるんだとか。
“設置0円”&“売上げシェア”のワケ
なぜ、そんな気前のいいビジネスができるのか?
そのウラには会社を揺るがす程の大失敗があったといいます。
『日本メディック』 城田充晴社長(37):
「家庭用のマッサージチェアを仕入れて運営するビジネスをしていたのですが、かなり売り上げが下がって民事再生法(倒産手続き)を決断して、再スタートした」
家庭用のマッサージチェアでは耐久性が弱く消耗が激しかったため、再出発では、業界初となる業務用マッサージチェアを開発。それが「あんま王」だったのです。
連続運転の耐久試験では、家庭用の約3倍の2500時間をクリア!
また、耐久性だけでなく、メンテナンスにかかる手間と費用を軽減するため、カバーや枕など、消耗しやすいパーツは細かく取り外し&交換ができるように設計。
さらに設置場所もこれまでの温泉施設だけでなく、“待ち時間が生まれる場所”に目をつけ開拓し、設置場所との売上シェアなどの工夫を続けたといいます。
その結果…
『日本メディック』 城田社長:
「1台で最大、1000万円くらいは稼いだことあるかと思います」
たたみ1畳の新たなスキマビジネス、定着していくのでしょうか?
(THE TIME,2024年11月19日放送より)
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