記録的な高値となっているキャベツ。平年の約3倍まで値上がりし、消費者も飲食店も悲鳴をあげています。長引いた暑さが原因で、高値は12月中旬まで続くとみられています。
サクッと揚がったとんかつ。付け合わせに欠かせないのがキャベツの千切りです。
客:
「おかわりできるのですごく助かります。さっぱりしているのでまた次食べたくなって」
松本市のトンカツ店「かつ玄」。定食を注文した客はキャベツのお替りが無料。何度もお替りする客もいて、1日で10玉ほど使います。
しかし、仕入れ値は…
かつ玄・滝沢歩さん:
「通常の3倍くらいですね、だいぶ高い」
今、キャベツが記録的な高値となっています。農林水産省によりますと、東京都中央卸売市場の11月12日の卸売価格は1キロ295円。平年のおよそ3.5倍です。16日は少し落ち着き1キロ219円ですが、それでも3倍近くとなっています。
原因は…。
こちらは秋・冬の産地、茨城県の畑。すくすくと育っているように見えますが…
農園:
「あれ、すごく大きいですね。これはもう出荷できないですね。でかすぎちゃって」
「大きくなりすぎてキャベツ自体が耐えられなくてパンと破裂する」
原因は9月から10月の暑さ。秋冬の産地で苗を植える作業が遅れたり、植えても成長しすぎるなどの影響が出ています。このため、群馬などの夏の産地から秋冬への産地リレーが途切れ入荷が減り、高値となっています。
19日朝の長野地方卸売市場。地場産のキャベツは6玉2000円、8玉2500円で競り落とされました。1玉300円を超えていて、平年の倍以上です。
青果店:
「2週間くらい高値続いている、厳しいです」
「少しでも安くお客さんに渡せればいいかな。早く通常の相場に戻ってくれればいいな」
R&Cながの青果・ 執行役員:
「最高値だと(先週はじめに)1玉500円くらいで、市場で取引されたときもあった。数年に一度あるかないかという相場」
この記録的高値はいつまで続くのでしょうか?
R&Cながの青果・ 執行役員:
「不作ではないので、遅れているだけなので、遅れていたものが取り戻してくれば、ある程度順調には出てくると思うけど。恐らく12月上旬、10日過ぎにならないと潤沢な出回りは期待できないと思うので、しばらくは平年よりは高値が続くのではないかと考えています」
冒頭に紹介した松本市のとんかつ店。折からの物価高で厳しい営業ですが、客に満足してもらうため、キャベツのお替り無料は変えない方針です。
客:
「とんかつ屋さんイコール(キャベツを)結構おかわりできるってイメージで入っているので、お金かかるって言われると寂しくなるので、これが無料はうれしい限りです」
かつ玄・滝沢歩 さん:
「あまり長く続かれると困るけど、ご飯もキャベツもたくさん食べていただきたい、満足して帰っていただきたい」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。