日本銀行の植田総裁は「経済・物価の見通しが想定通りなら毎回利上げするわけでない」と述べ、来月行われる金融政策決定会合での追加利上げについて慎重な姿勢を示しました。

日本銀行 植田和男総裁
「オントラック(想定通り)であれば毎回利上げするというわけではなくて、(経済・物価の)見通しが実現する蓋然(がいぜん)性・確度がどれぐらい高まったかある程度以上高まるということが自信が得られた時に次のステップに移ると大まかなプロセスで考えている」

 植田総裁は午前中、名古屋で行われた経済団体などとの懇談で、「経済や物価の改善に併せて金融緩和の度合いを少しずつ調整していくことは息の長い成長を支える」と、追加利上げの意義を強調しました。

 ただ、その後の会見では「アメリカ経済の不確実性が予想される」と述べ、追加の利上げに慎重な考えを示しました。

 トランプ次期大統領の政権運営による変動が念頭にあるとみられますが、追加の利上げを判断するにあたっては「それを全部待って政策を実施するわけではない」とも述べました。

 足元で再び進む円安については、物価が想定以上に上昇するリスクがあるものの、プラスとマイナスそれぞれの影響があるため「経済全体への影響を評価するのは難しい」との認識を示しました。

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