北陸新幹線の開業後、観光客が増加しているあわら市で、街歩きを楽しんでもらうための新たな取り組みが始まりました。
  
2024年3月に北陸新幹線が開業し、10月には竜王戦の舞台として藤井聡太7冠が訪れるなど盛り上がりを見せているあわら温泉。にぎわいの一方で、観光客の中には旅の目的として旅館を訪れる人も多いため、旅館から出る機会が減り、結果として街歩きをする人が少なくなるという現状があります。
  
そこで、あわらの街中に人の流れを作ろうと、市は11月1日から新たな取り組みを始めました。市内10軒の旅館の宿泊客に浴衣を着てもらい、温泉ならではの風情ある街歩きを楽しんでもらおうと企画した「あわら色浴衣さんぽ」という取り組みです。
 
浴衣は、対象の旅館に宿泊した女性に無料で貸し出されます。グランディア芳泉の女将・山口由紀さんは「浴衣を着るのは温泉の楽しみの一つ。さらに浴衣を着て街中へ出るのは街全体の賑わいにつながると思う」と話します。
 
東京からの観光客は「新幹線で来た。時間がゆっくり流れ、喧騒を離れられるところが良かった」と来訪の理由を語り、浴衣で散歩ができるキャンペーンについても「すごくいい試みだと思う。実際に聞いてやってみたいと思った」と話していました。
  
旅館に加え、市内にある20の飲食店も協力していて、竜王戦の際、藤井聡太7冠が「勝負飯」に選んだことで人気が高まった老舗そば屋「福乃家」では、手作りの巾着を無料でプレゼントしています。店主は「昔、自分が小さいころは浴衣を着た人の下駄の音がうるさくて外に出るのも怖いくらいだったが、最近はずっと静か。温泉街に来るということは普通の生活とリズムが違うと思うので、そういう世界観を味わってほしい」と話します。
 
また、この取り組みに合わせて市内にはフォトスポットも設置されています。お堂の入り口には色とりどりの和傘が設置されるなど、浴衣を着て写真を撮りたくなる演出が施されています。
 
「あわら色浴衣さんぽ」は12月15日まで試験的に実施し、市は2025年度以降、期間を伸ばして実施する予定です。

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