来週からオリーブオイルが家庭用でおよそ6割も値上げされるなか、スーパーの売り場では品薄状態が続いています。そんななか、トルコ産のオリーブオイルや植物油と混ぜたブレンドオイルが注目されています。
■専門家「最大の理由は天候不順」
一部商品が品薄状態 この記事の写真 スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん「こちらがオリーブオイルの売り場になります」 紀真耶アナウンサー
「売り切れているものもありますね」 久保田さん
「発注をかけても問屋から入ってこない状況がしばらく続いている」
横浜市のスーパーでは、値上げが発表されてからオリーブオイルを買い求める客が2割から3割ほど増加。一部の商品が品薄になっています。
家庭用は最大6割 業務用は最大8割来月の納品分から値上げされますが、驚くべきはその上げ幅です。大手2社は、家庭用を最大6割ほど、業務用は最大8割引き上げると発表しています。
専門家はこのように話します。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏 第一生命経済研究所 首席エコノミスト永濱利廣氏
「最大の理由は天候不順です。オリーブというのは最大の産地がスペインなんですけど、地中海の沿岸のところで温暖化の影響などもあって天候不順が続いていることで、オリーブの不作が続いている」 日本の国別オリーブオイル輸入量
日本のオリーブオイル輸入量のおよそ57%を占めるスペイン。しかし、大規模な干ばつで、去年から不作が続き、昨年度の生産量は78万トンほどで前の年の半分程度にまで落ち込んでいます。
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■半額のトルコ産を「5倍仕入れ」■半額のトルコ産を「5倍仕入れ」
価格が高騰しているスペイン産に代わり、オリーブオイルの仕入れ先にも変化が起きていました。
トルコ産のエキストラバージンオリーブオイル似たようなボトルで、一見、同じに見えますが、トルコ産のエキストラバージンオリーブオイルです。750ミリリットルの商品が、スペイン産のほぼ半額の1079円で店頭に並んでいました。
トルコ産の仕入れを5倍に増やすスーパーセルシオ和田町店では、価格の安いトルコ産のオリーブオイルの需要が増えるのではないかと予想し、仕入れを5倍に増やしました。
買い物客(40代)「(Q.産地は気にする?)産地は一応チェックします、トルコ産も使ったことあります。使っていて、ここが明らかに違うっていう違いは分からないので。味もそれほど変わらないなら安いものを」 買い物客(50代)
「そんなに(産地は)気にしてはいません」
トルコ産のオリーブオイルは在庫がなくなるまで、来月以降も値上げをせずに販売を続けるということです。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん 久保田さん「また次いつ安く仕入れられるか確証がないので。うちとしても大事に販売をしていこうと思っております」
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■苦悩のスペイン料理店 仕入れ値が約4割↑■苦悩のスペイン料理店 仕入れ値が約4割↑
イカのアヒージョたっぷりのオリーブオイルとニンニクでイカを煮込んだ熱々のアヒージョ。客の多くが注文するスペイン料理店の人気メニューです。
会社員(30代)「アヒージョは絶対頼みます。とってもおいしかったです」 会社員(40代)
「スペイン料理来て、アヒージョ食べないなんてって思っちゃう」 パエリア
さらにスペイン料理の定番といえば、ムール貝やエビ、鶏肉などを煮詰めたボリューム満点のパエリア。そんなスペイン料理にオリーブオイルは欠かせません。
エルチリンギート 新倉孝之輔代表「(Q.ひと月にオリーブオイルはどのくらい使う?)ひと月にだいたい5リットルくらいです。基本的に揚げ物用の油以外はすべてオリーブオイルです」 スペイン産を使用
こちらの店では、スペイン産のものを料理や香りづけに使用しています。
新倉代表「香りと若干の味とかにも影響してきますし、やっぱり納得したものじゃないと、なかなか自分が出したい味にはならないのかなと」
しかし、使っているオリーブオイルすべての価格が高騰。仕入れ値は去年に比べ4割ほど上がっています。
エルチリンギート 新倉孝之輔代表 新倉代表「(Q.こんなにオリーブオイルが値上げ、過去に経験ある?)ないですよね。オリーブオイルが高すぎるから何か考えなきゃなと思ったことはないですね」
なかでも、使う量が最も多いのがアヒージョです。すでに去年一度値上げをしているため、価格改定は考えていないということですが…。
新倉代表「これまでは(使用量は)感覚的に出していたので。(今後は)1人前のパンと具材とオリーブオイルをすべてぬぐっていただけるくらいの量を算出して提供した方がいいかなと思っています」
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■“訳あり”商品に殺到 賞味期限切れで8割オフ■“訳あり”商品に殺到 賞味期限切れで8割オフ
そんななか、東京・足立区のスーパー「マルヤス」ではオリーブオイルの値上げ発表後、3割ほど売れているということです。
賞味期限切れ間近のオリーブオイル 賞味期限切れのオリーブオイルその理由は“訳あり”。賞味期限切れや期限が間近に迫った商品を格安で販売しているのです。一般的に期限切れになっても、すぐに食べられなくなるわけではないオリーブオイル。客は次々と手に取り、買い物かごに入れていきます。
期限切れ間近のオリーブオイル70ミリリットルは2割オフの160円、期限が切れたイタリア産のオリーブオイル230ミリリットルは、なんと8割オフの538円で売られていました。
買い物客(50代)「あんまり賞味期限とか気にしてないので、結構このお店は利用します」
値上げ発表後、品切れになっている店舗もあるといいます。
仕入れ値の影響が出てくるのは? スーパーマルヤス 松井順子代表「当店の場合は訳あり商品を扱うことが多くて、だいたい半額であったりというところまで値段を落として販売しています。当店に仕入れ値の影響が出てくるのは、おそらく5月から3、4カ月経ってからだと思います」
(「グッド!モーニング」2024年4月26日放送分より)
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