群雄割拠する道の駅グルメの頂点を決めるのが「道-1グランプリ」。昨年グランプリを獲得したのは、茨城県笠間市の栗を使った「極細モンブラン」です。今年はある秘訣で、連覇を狙います。それに待ったをかけるべく、全国から工夫を凝らした道の駅グルメが続々と集結。はたして、どのグルメが頂点に立つのでしょうか?
■個性あふれる道の駅が集結!
第6回「道-1グランプリ」開催 この記事の写真今年で6回目となる「道-1グランプリ2024」。全国1221カ所から選ばれた17の道の駅が頂点を競います。どの道の駅も個性派ぞろいです。
醤油麹漬け豚しゃぶ丼群馬県のご当地ブランド、やまと豚のしゃぶしゃぶを醤油麹に漬けた「醤油麹漬け豚しゃぶ丼」です。
ゴロゴロ肉鰹の炭火焼き炎が上がっているのは、宮崎県の「道の駅きたごう」です。実は宮崎名物・鶏肉の炭火焼きは、鶏肉ではなく、カツオです。宮崎は近海でのカツオ一本釣りの漁獲量が日本一でもあります。
金目鯛の棒寿司静岡県下田市の金目鯛の棒寿司は、今大会唯一のお寿司で、一品ごとに炙(あぶ)って仕上げています。
■行列ができる極細モンブラン
行列ができる「極細モンブラン」開始から1時間、ひときわ長い行列を発見。それは、昨年グランプリの「極細モンブラン」です。
一般的には細さ1ミリのモンブランのクリームを、なんと半分の0.5ミリにすることで、フワッととろける食感を実現。実は今年のモンブランは、ある秘策で、昨年よりパワーアップしているといいます。
栗を搾った担々麺も我々は茨城県の道の駅かさまへ向かいました。実は、茨城県は栗の収穫量が日本一です。道の駅内には栗を使った様々なメニューがあり、栗ソフトクリームや栗ビール、さらには栗を搾った担々麺もあります。
中でも、行列ができていたのは、優勝トロフィーが輝くあの極細モンブラン。グランプリ獲得で売り上げは2倍になり、道の駅を訪れる客も増えたといいます。このモンブランをパワーアップさせた秘策とは?案内されたのは…。
新栗の使用で風味がアップ実は貴重な栗だといいます。「栗は取れたてが最もおいしい」と言われ、その期間は9月中旬から約1カ月と、ほんのわずか。昨年のグランプリは11月開催だったため、使えなかった新栗を今年はふんだんに使い、風味も格段にアップ。連覇を狙います。
0.5ミリ極細モンブランを開発真鍋豊光さん
「(Q.そんなに違うものですか?)全く違います!」 道の駅かさま駅長
菅井敏幸さん
「匂いも違うし、フレッシュな感じがかなり違うと思います」
大会では絶えることなく行列が続きます。
真鍋豊光さん「(Q.手応えはいかがですか?)行列ができて一生懸命絞ってます」
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■新たな秘密兵器が登場■新たな秘密兵器が登場
淡路和牛の肉巻きおむすびモンブランの圧勝かと思いきや、モンブランに匹敵する長い行列ができています。
お目当ては、兵庫県淡路島からの「A5ランクの淡路和牛」でご飯を包み、じっくりと焼き上げた「肉巻きおむすび」です。とろける美味さの一品で、前年王者モンブランを脅かす人気ぶりです。
さらに、虎視眈々と王者を狙うのが、昨年2位だった「道の駅まえばし赤城」です。実に東京ドーム1.5個分の広さで、バーベキュー場や温泉施設も備えた人気スポットです。
ローストビーフ丼そして、昨年準グランプリを獲ったのが、この道の駅でも一番人気のグルメであるローストビーフ丼です。群馬県のブランド牛「赤城牛」をふんだんに使い、旨味が濃く、ジューシーな赤身が特徴です。
しかし、今回、あえてこの人気メニューの再登板をやめたといいます。それに代わる秘密兵器が登場しました。昨年誕生したばかりの新名物、バナナ園「まえばしバナナ」です。南国のイメージがあるバナナですが、前橋市は日照時間が長く、栽培に適しているそうです。
道の駅まえばし赤城企画課 北村夏美さん
「(皮が)薄いので、えぐみとかは全くないです」 皮ごと食べられるバナナ
このバナナは、皮ごと食べられる珍しい品種です。味はねっとり濃厚で、1本550円という値段ですが、店に並ぶと即完売という人気です。
その新名物を使った勝負メニューは、かき氷です。今大会のために開発されたバナナかき氷には、皮ごとバナナがたっぷり添えられています。
来場客「皮は柔らかい。おいしいです」
■「食べづらさ日本一」福島県浪江町
なみえ焼そばバーガー2日間にわたって行われる大会で、グランプリを決めるのは客の投票です。グルメ券1000円ごとに投票券が1枚付き、得票数が一番多いメニューがグランプリに輝きます。
今回、道-1グランプリに初出場し、異色のメニューとして注目されたのが、「食べづらさ日本一」をうたう大胆メニューです。
バンズからあふれ出るのは、かつてB-1グランプリに輝いた「なみえ焼そば」です。極太麺と濃厚ソースが絶妙なソウルフードです。このメニューが生まれたのは福島県浪江町で、東日本大震災の復興のシンボルとして作られた道の駅です。
なぜ、食べづらいバーガーにしたのでしょうか?初めは焼きそばパン型も考えましたが、挟む具材に限界があったそうです。
なみえ焼そばバーガー開発者佐藤星斗さん
「焼きそばバーガーにしたら、いろんな具材を挟めるし、お客様の気を引けるんじゃないかと思って開発しました」
「最強B級グルメを生かし、野菜などの地元食材もたっぷり楽しんでもらうには、バーガーしかない」と考え、生まれたのは食べづらさも覚悟したインパクトのあるメニューです。しかし、やはり食べづらそうに焼きそばがこぼれ落ちました。やっぱり…。
バーガーですが、箸を添えて提供することにしました。食べづらさはあれど、楽しい一皿。来場客は初めから箸で食べて「おいしいです」と話していました。
行列や投票の様子を見ると、初日はモンブランが優勢で、それを肉巻きおにぎりやその他のメニューが追う展開のようです。
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■「道-1グランプリ2024」結果発表!■「道-1グランプリ2024」結果発表!
モンブラン2連覇2日目は朝から雨。それにもかかわらず、多くのお客さんが来場しました。
寒くなると、やはり温かいものが大人気です。愛知県「道の駅したら」の「森の麻婆豆腐」は、ジビエの鹿肉のミンチをたっぷり使用しています。
湯気の中で蒸されていたのは鯖。福井県産の脂が乗った鯖をじっくりセイロで蒸すことによって、ふっくらとした仕上がりに。前日好調だったバナナかき氷ですが、雨で気温が下がり苦戦中…。
一方、悪天候の中、一際目立った行列がありました。お目当てはラーメン。徳島県産の鶏、豚、野菜の旨味をぎゅっと閉じ込めたスープを直前に泡立て、よりクリーミーに仕上げています。思わず飲み干したくなる濃厚スープです。
雨の中でも、昨年王者の極細モンブランは長蛇の列。そして、肉巻きおむすびはなんと30分待ちになっています。
いよいよ結果発表。なみえ焼そばバーガーは、その斬新さが認められ、見事アイデア・ユーモア賞を受賞。続いて、極細モンブランが見事に2連覇を達成。旬の新栗が功を奏しました。
真鍋豊光さん「おいしそうな商品がいっぱいあって、どきどきしながらやってました。ありがとうございまーす!」
準グランプリは、気温が下がったことが追い風となった徳島のにし阿波系ラーメン。淡路和牛の肉巻きおむすびが3位でした。
道の駅グルメの進化は、まだまだ続きそうです。
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