(ブルームバーグ):10月第2週(7-11日)の債券市場では長期金利の低下(債券価格上昇)が予想される。日本銀行による早期の追加利上げ観測の後退でキャリーロールダウン(利息収入と残存期間減少に伴う債券価格の上昇で生じる収益)効果の高い長期債や超長期債などに買いが入ると期待されている。週内に2回行われる国債入札を順調に終えるとの予想も相場を支えそうだ。
市場参加者の見方
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 強含みもみ合いを予想。ボラティリティー(変動率)が低位で、キャリーロールを狙う買い需要が10年債を中心に入る
- 米国長期金利は4%の節目近くになっており、今後米利下げが続く中ではここからの上昇余地は小さいとみられ、国内債券は買いやすさが出てくる
- 30年債、5年債の国債入札はともに需給の良好さを背景に無難に消化できる。10月の日銀金融政策決定会合は無風とみられ、12月を待つ形で債券相場は落ち着いている
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.82-0.9%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 石破首相が早期利上げに慎重な姿勢を示したことや、中東情勢の悪化懸念から世界経済の先行きには慎重な見方も広がっており、国債利回りの目先の上昇余地は限られよう
- 日銀が7日発表する地域経済報告や8日に発表される9月の景気ウォッチャー調査などが注目されるが、景気回復見通しが相場の上値を抑える
- 30年、5年国債入札は投資家の需要に支えられて無難に消化されよう。7、11日と日銀の国債オペが週内に2回予定されていることも需給面から相場を支える
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.83-0.9%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 7日:日銀支店長会議、10月の地域経済報告(さくらリポート)
- 8日:8月の毎月勤労統計
- 9日:臨時国会会期末、石破茂首相は衆院を解散
- 9日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 (9月17、18日開催分)
- 10日:9月の米消費者物価指数(CPI)
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