(ブルームバーグ):10月2週(7-11日)の日本株は反発する見込み。外国為替相場の変動が激しい中で、為替の影響が比較的少ない内需銘柄に投資家の目線は移りやすい。主要な小売企業の業績から国内景気を再評価する買いが入りそうだ。
中東情勢の緊迫化に加え、石破茂首相が示す政策に不透明感があるため、外国為替相場の変動が大きくなり、日本株の重しになった。10月1週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1.7%安と3週ぶりに反落した。
衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは10日に通期決算を公表する。第4四半期の市場予想は前年同期比で営業増益の見込み。同社株は日経平均株価への寄与度が大きく、市場への影響は大きい。セブン&アイ・ホールディングスも同日に第2四半期決算を開示する。同社は傘下企業の一部株式を売却することを検討している。
衆議院選挙後の株式相場は上昇する傾向がある。石破首相は9日の臨時国会会期末に衆院を解散し、衆院選を27日投開票の日程で実施する方針だ。JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストらは、自民党が議席過半数を獲得しかつ議席数も純増させた場合には、日経平均のパフォーマンスがS&P500種株価指数との対比でも堅調に推移したと指摘する。
厚生労働省が8日に発表する8月の毎月勤労統計調査で、実質賃金の市場予想は前年同月比0.5%減。6月に実質賃金は27カ月ぶりにプラスに転じ、7月はマイナス予想に反して増加していた。
《市場関係者の見方》
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャー
下値を固める段階となり、日経平均は3万9000円を試す動きになるだろう。相場のボラティリティー(変動率)は高いものの、株価が下がると買いは入っている。毎月勤労統計で実質賃金のプラスが維持されていることが確認でき、小売企業の業績も良いとなれば日本株にも見直し買いは入るとみる。半面、石破政権の支持率が低いため、経験則では株高となりやすい衆院解散総選挙は期待されているほどの押し上げ効果がなさそうだ。
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
今の消費動向を確認する上で注目度の高い小売企業の決算を受けて、日経平均は3万8000円台で強含むだろう。これからの日本株をけん引するのは内需株になりそうだ。米国は10日の消費者物価指数(CPI)発表に注目だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は労働市場の動向をより注視しており、物価の落ち着き具合よりも景気が良いかどうかという視点で材料視されやすい。
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