(ブルームバーグ):日本銀行の野口旭審議委員は3日、金融政策運営について、「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要だ」との認識を示した。長崎県金融経済懇談会で講演した。
野口氏は、日本経済は「2%の物価安定目標が持続的・安定的に達成されるに至るかどうかという点で、極めて重大な転換点にさしかかっている」と指摘。「2%近傍で安定しつつあることを慎重に見極めながら、現状の金融緩和を徐々に調整してい くことになる」と述べた。
他の発言
- 7月の政策金利引き上げは、急激な株価下落の要因の一つ
- 市場混乱、日銀の経済・物価の見方と市場認識に齟齬(そご)あった
- 政策変更で混乱しないため、コミュニケーションに努力必要
- 国債取引に十分な厚み出るよう、購入徐々に減らす必要
- 米経済の底堅さ示す指標相次ぎ、市場混乱は一時的に終わった
- 物価2%目標と整合的なマインドセット、相応の時間必要
日銀は7月末の金融政策決定会合で0.25%への政策金利の引き上げを決めたが、野口委員は経済データの改善を見極める必要があるとして反対票を投じた。足元では海外経済の不透明感の強まりや円安の大幅修正などを背景に、植田和男総裁は政策判断に「時間的な余裕はある」と説明。石破茂新首相から利上げに慎重な発言が出ており、野口委員の見解が注目されていた。
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