(ブルームバーグ):中国政府の景気刺激策発表で株価が急上昇した9月に、一部のヘッジファンドは25%以上の利益を上げた。事情に詳しい関係者が明らかにした。
関係者によると、トリアタ・キャピタルの中国ファンドは先月44%上昇し、ブルー・クリークは推定31%の利益を上げた。ユンキ・キャピタルは26%上昇。非公開情報だとして関係者は匿名を条件に語った。
一部のファンドは、今年に入ってからの損失を取り戻した。MSCI中国株指数は9月に23%昇、2022年11月以来の好パフォーマンスとなった。
中国政府は先週、低迷する経済にテコ入れするため、銀行の準備預金率の引き下げや、何百万もの世帯が抱える最大5兆3000億ドル(約767兆円)の既存の住宅ローンについて金利引き下げの再交渉を認めるなど、さまざまな措置を打ち出した。
この刺激策により中国株は力強い回復を見せ、中国に焦点を当てたヘッジファンドに救済をもたらした。ユーリカヘッジのデータに基づくと、8月まではこれらのファンドが3年連続で年間マイナス成績となることが確実視されていた。
富豪の投資家デービッド・テッパー氏は中国関連の「あらゆるもの」を買い増していると述べ、ヘッジファンドは中国株に殺到した。反発局面の初期には、中国に対して強気のポジションを組んでいたヘッジファンドが大きな利益を得た。銘柄選択に優れたファンドは市場全体を上回るリターン上げることができるとの期待もある。
ゴールドマン・サックス・グループのヘッジファンド顧客は、同社のプライムブローカレッジ部門がデータ追跡を開始した2016年以降で最も多く、中国株を買い越した。同社の9月30日付リポートによると、中国に焦点を当てたファンダメンタル株式選択型ヘッジファンド顧客は先週、平均で6%のリターンを記録し、記録上最高の週次パフォーマンスとなった。
アジアのヘッジファンドに関する調査を提供するロータス・ピーク・キャピタルのパートナー、ニコラス・アムスタッツ氏(シンガポール在勤)は「9月の突然の政策転換は、中国ファンドに非常に歓迎すべき大きなベータ値主導利益をもたらした」と述べ、「今後の環境は中国におけるアルファ重視の戦略に適しているとみている。上昇する潮がすべての船を持ち上げるのは最初だけだ」と付け加えた。
原題:Hedge Funds That Bet Big on China Score 25%-Plus September Gains(抜粋)
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