(ブルームバーグ):楽天グループは30日、傘下の楽天カードがみずほフィナンシャルグループと資本業務提携の検討入りで合意したと発表した。楽天Gは楽天銀行などの金融事業再編を検討していたが、みずほFGとの新たな提携検討に伴い取りやめる。

楽天Gは発表資料で「楽天カードのさらなる成長に向けて、みずほFGとの連携をより加速させていくことで、盤石な個人向けのビジネスに加え、今後拡大が見込める法人領域等での成長機会を追求していく」と説明した。

年内の提携を目指す。ただ「提携の内容について確定していることはない」とも記述。日本経済新聞などの報道によると、みずほFGは楽天カードを持ち分法適用会社とする可能性もあるとしているが、発表では詳細には触れなかった。

急速な社会のデジタル化に伴い、メガバンクグループがネット金融などと提携・協業して収益力を強化する動きが相次いでいる。みずほFGはすでに楽天証券に49%出資しており、共同でのサービスや営業活動などで連携を深めている。

みずほFGの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、「楽天カードとみずほFGの金融事業の強み・ノウハウを集約する」と電子メールで回答。その上で「個人顧客には従来よりも便利でお得な決済サービスを、法人顧客には売り上げ拡大に寄与するサービスなどを協働して創出していくことで、決済分野を含めた新たなリテール事業モデルの構築にチャレンジする」とした。

一方、楽天Gは2025年にかけて約4500億円の社債償還を控えており、資金調達を急いできた。携帯電話の通信事業の安定化を図りつつ、金融分野でもみずほFGとの提携強化を通じ、収益基盤の強化を図る。

また、楽天Gは傘下の楽天銀との間で銀行、証券、カード、保険などの金融事業の再編協議を行ってきたが、フィンテック事業の強化に向けて同再編が最適とは言えないとの判断に至ったとして、取りやめを発表した。

(みずほFGのコメントを追加して記事を更新します)

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