OHKのカメラが収めた岡山・香川の懐かしの映像で、ふるさとの歴史を振り返ります。今回は1980年(昭和55年)9月26日に放送された映像です。
新大阪駅と玉野市の宇野駅を結ぶ、夜行急行列車「鷲羽(わしゅう)」がこの年の10月1日に行われた国鉄(現在のJR)のダイヤ改正に伴い、廃止されることになりました。
四国への連絡列車として活躍した急行「鷲羽」。当時の時刻表によりますと新大阪駅を午後11時21分に出発、大阪駅、三ノ宮駅、姫路駅、岡山駅などを経由し午前2時35分に玉野市の宇野駅に到着していました。沿線の駅では最後の雄姿をカメラに収めるファンの姿も見られました。
当時はまだ本州と四国を結ぶ瀬戸大橋はありません。宇野駅と高松駅を結ぶ国鉄宇高連絡船に接続し、高松駅(高松桟橋)には午前4時頃に到着していました。この映像の終わりには、駅に停車中の鷲羽の奥に、高松桟橋に向けて出発する連絡船の様子が映っています。
急行「鷲羽」は1960年に宇野線の電化を受けデビュー。一時は大阪と宇野の間を11往復しました。山陽新幹線岡山開業翌年の1973年に新幹線との競合もあり、1日1往復に激減、乗車率は20~30%で推移していました。
最終運行となった1980年9月30日の乗車率は24.5%。この日は宇野駅(宇野桟橋)3時35分発の高松桟橋行きの宇高連絡船「阿波丸」にバトンタッチ。セレモニーなどもなく、静かに引退しました。
急行「鷲羽」はその後、何度かリバイバル運行されています。最近では2022年9月に大型観光キャンペーン「岡山デスティネーションキャンペーン」の一環で、兵庫県の姫路駅から宇野駅の間を1日限定で結びました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。