また、卵が値上がりしています。

東京・足立区にあるバウムクーヘンの専門店。1日、3000個の卵を使っています。

島田屋製菓 生井栄社長
「一層一層の年輪をつなぐ役目を卵がしている。いい卵じゃないと、年輪が外れて失敗してしまう。最近、ちょっとまた値上がりしてきて、2〜3割高くなっている感じはある」

去年の卵高騰の際、バウムクーヘンの値上げをしていて、そう何度も価格に転嫁できないといいます。

島田屋製菓・生井栄社長
「卵をたくさん入れることで、しっとりとやわらかいバウムクーヘンができる。卵の値段が高くなったからといって、量を減らすわけにはいかないし、味が変ってしまうので、そこは何とかがんばっている」

去年1キロ350円という最高値を記録した卵の卸売価格。理由は、鳥インフルエンザの流行でした。国内で卵を産むニワトリの約10%にあたる1700万羽以上が殺処分され、生産量が激減。スーパーの棚から卵がなくなるなど、“エッグショック”と呼ばれました。

今年は、1キロ200円前後で推移していましたが、9月に入り、急激に上昇しています。

たつみチェーン豊洲店・村松義康店長
「卵ももやしと同じで、『このぐらいの値段が普通』という固定的なのがあると思う。100円台になったときと200円を超えたときの売れ行きは明らかに違う。」

24日、生産者や流通業者が集まって会議が開かれました。猛暑で生産量が減ったところに、9月は外食などで需要が高まったため、価格が高騰しているといいます。

農林水産省の担当者
「猛暑の影響による供給減少に加え、“月見商戦”など季節性の需要の高まりが重なったことなどから、卸売価格が1キロ260円と、例年より高い水準になっている」

茨城県小美玉市にある養鶏場。約20万羽のニワトリを飼育していて、1日に16万個の卵を生産しています。

ホウトク農場・豊村三弘代表
「やっぱりだいぶ暑さで(ニワトリが)バテてましたね。人と一緒ですけど、エサも暑いと食べづらくなるので」

卵の個数やサイズに影響があったといい、注文の数を減らしてもらうなどの対応をとったといいます。

ようやく暑さも落ち着いてきたなか、卵の価格は下がるのでしょうか。

ホウトク農場・豊村三弘代表
「この夏の影響を、まだ引きずってしまうと思うので、しばらくは、値段は、このまま高いまま推移すると思います。消費者からすると卵の値段が上がって大変だとは思うんですが、生産者からすると、この相場で、やっとまともな経営ができるというくらいの価格ではあるので」

これから年末にかけては、おでんやクリスマスケーキなど需要が高まることから、価格は高止まりが予想されるといいます。

さらに、懸念されるのが、鳥インフルエンザの発生です。消毒の徹底や、鶏舎の窓をなくし、渡り鳥などの侵入を防ぐといった対策をとっていますが、“エッグショック”の再来はゼロではないといいます。

ホウトク農場・豊村三弘代表
「考えたくはないですけど、鳥インフルエンザが起きてしまうと、価格もさらに上がってしまうと思います」

◆改めて、卵1キロあたりの価格をみていきます。
去年4月・5月は、350円でしたが、今年の1月には180円まで下がっていました。しかし、24日の価格は260円と、また値上がりしています。その理由について、坂本農水大臣は 「猛暑の影響で、供給が一時的に減っているところに、“月見商戦”など、季節性の需要が高まった」としています。

今後の価格について、農水省の担当者は「暑さが和らいでくれば、供給量は徐々に改善されていく。ただ、年末は、おでんやケーキなど、例年、需要が高まるため、今後の価格動向は予想できない」としています。

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