(ブルームバーグ):為替市場で心理的節目の1ドル=140円を超える1年ぶり水準への円高が進行する中、日本の外国為替証拠金取引(FX)投資家は円買いポジションを手じまっている。逆張りで円売りを構築する動きも見られる。
東京金融取引所のFX取引「くりっく365」のデータによると、米ドルに対する円のネットロング(買い越し)のポジションは16日、約4カ月ぶりの水準に減少した。ドル買い・円売りの建玉が7月下旬以来の水準まで増加し、円が対ドルで5日続伸したことを受けて、個人投資家がドル買い・円売りに動いたことを示している。
日本の個人投資家のFX取引は世界の同取引のおよそ3割を占めるとされる。金融先物取引業協会のデータによると、店頭外国為替証拠金取引の売買高は7月に1454兆8036億円と、さかのぼることができる08年11月以降で最大となり、8月もほぼ同水準だった。
個人は相場の動きと反対のポジションを取る「逆張り」の傾向がある。フジトミ証券の山口哲也チーフテクニカルアナリストは、先週に昨年12月の円高値140円25銭が迫ってきたことを受けて、個人投資家の「取引高が膨らみ、値ごろ感からドルを買って円を売る動きが出た公算がある」と話す。
もっとも、中長期的には日本銀行が金融緩和を調整する方向にある一方、米金融当局は今週にも利下げを開始する。山口氏は「まだ円高・ドル安が続く可能性が高く、逆張りの円売りポジションは損切りで円買いを強いられるリスクがある」と指摘した。
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