(ブルームバーグ):債券市場で日本銀行の金融政策の影響を受けやすい中期国債の利回り曲線がフラット(平たん)化している。米国が利下げに政策を転換することで、年内の日銀追加利上げ観測が市場で極端に後退していることを示唆している。

中期的な日銀政策変更の期待度を反映しやすい新発2年国債と5年国債の利回り格差は17日、複利で11ベーシスポイント(bp)と2022年11月の以来の低水準となった。2年後と5年後の政策金利水準を示す両者の差が小さいことは、中期的に政策金利があまり動かないことを示す。残存期間の長い長期や超長期債にも買いが入りやすくなり、金利全体が押し下げられやすい。

19、20日の日銀決定会合に先立ち、米連邦準備制度理事会(FRB)は17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で20年3月以来およそ4年半ぶりの利下げに踏み切ることが確実視されている。経済のグローバル化が進む中、日銀はこれまで米利下げ局面では利上げを控えてきた経緯がある。

 

りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは、米国が大幅な利下げになると日銀には向かい風で12月はもとより、来年1月の追加利上げの可能性も低くなると指摘。「足元で円高が進行して物価もそれほど上がらないとなれば、利上げ時期が見えなくなる」とし、自民党総裁選挙で高市早苗経済安全保障担当相が選出されると「利上げが止まる公算がある」と述べた。

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