(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は恐らく、追加利下げを行うのは今年最後の会合だけだという立場だろうと、政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁が語った。

カジミール氏は16日の発表文で、「次の動きを取る前に、12月まで待って状況をよく見極める必要があるのはほぼ確実だろう」と指摘。

「10月の追加利下げを検討するためには、見通しに顕著な変化や強力なシグナルが生じることが必要だ。しかし実際には、入手予定の新たな情報はごくわずかだ」と続けた。

ECBは先週、今年2回目の利下げを決定し、中銀預金金利を3.5%とした。インフレ率が目標の2%に近づき、経済成長を巡る懸念が強まったことが背景にある。ただ、サービス部門をはじめリスクが依然あるとみる政策委員もおり、ラガルド総裁は金利に決まった道筋はなく、ECBはデータ依存の方針を続けると明言した。

カジミール氏は「先週の決定は、ECBが毎回の会合で金利を引き下げる道筋にいるという意味では全くない」と強調。「われわれは引き続き柔軟だ。だが、インフレ率が中期的に現在の予測よりも高くなるリスクはまだ残っているというのが自分の見方だ」と述べた。

ECBは先週明らかにした四半期経済予測で、インフレ率が2025年末までに目標の2%に低下するとの見方を維持した。

 

一方、マドリードで発言したデギンドスECB副総裁は、高い不透明性に鑑み、政策委員会は「できる限り多くの選択肢」を維持しておきたい意向だと説明し、入手するデータによって判断する考えを示した。

「先行きについて、利下げにあらかじめ決まった道筋は何もなく、会合ごとに決定するとこれまでにも極めて明確にしている。政策委員会で今後数カ月に何が起こるか知っている者はいない」と語った。

原題:ECB to Almost Certainly Await December for Cut, Kazimir Says (1)(抜粋)

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