(ブルームバーグ):中国経済は8月に失速した。経済活動全般が冷え込み、政府が掲げる年間成長目標の達成が一段と脅かされている。

国家統計局が14日に発表した8月の工業生産は前年同月比4.5%増と、市場予想の中央値(4.7%増)を下回った。伸び鈍化は4カ月連続と、2021年9月以来の長期の減速となっている。

8月の小売売上高も前年同月比2.1%増と、前月から伸びが鈍化。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は2.5%増だった。固定資産投資と不動産投資も市場予想を下回った。

 

工業生産の鈍化が続いていることは、中国経済の中で比較的底堅いセクターでさえも勢いを失っているしていることを示している。政府投資が増えず、内需が回復しない中での工業生産の鈍化は経済成長見通しを一段と悪化させている。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏は「8月のデータは基本的に、指導部が強力な景気刺激パッケージを実施しない限り、2024年の公式成長目標である5%を達成する可能性を否定するものだ」と説明した。

 

JPモルガン・チェースなどグローバル銀行の大多数が現在、中国の今年の経済成長率は目標の5%に届かないとの見通しを示している。

みずほ証券は中国当局による政策実施の遅延や政策措置が十分ではないリスクが高まっていることなどを理由に同国の成長率予測を4.8%から4.7%に下方修正した。4-6月(第2四半期)が5四半期ぶりの低成長にとどまったことから、エコノミストは中国政府が追加景気刺激策を講じる必要があると指摘している。

国家統計局は経済データの添付資料で、各当局は景気支援策の「実施を加速」するとともに、構造改革とリスクへの備えも目指すと表明。「外部環境の変化による悪影響が増大していることや、国内の有効需要が依然不十分であること、持続的な経済回復がなお幾つかの困難と課題に直面していることを認識すべきだ」と指摘した。

習近平国家主席は12日、政府当局者に対し、年間の経済・社会発展目標を達成するために現行の経済政策を「誠実に実施」するよう促した。

国家統計局のデータによると、地方政府の資金調達不調などが響き1-8月期の固定資産投資は前年同期比3.4%増と、1-7月期の3.6%増から鈍化した。不動産投資は引き続き縮小しており、1-8月期は10.2%減となった。

原題:China Growth Target at Risk as Activity Cools Across the Board(抜粋)

(国家統計局のコメントや固定資産投資のデータなどを追加して更新します)

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