(ブルームバーグ):米インテルは米当局者と拘束力のある合意に達し、国防総省向けの半導体製造で連邦補助金最大35億ドル(約4930億円)の獲得を正式に認められた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

「セキュア・エンクレーブ」と呼ばれるこのプログラムは軍事・情報分野向けの先端半導体生産の確立を目指している。同プログラムでインテルと合意したことは、同社が最近問題を抱えているにもかかわらず、国防総省の計画を実行する同社の能力に米政府が信頼を置いていることを示している。

インテルは先月、市場予想を大きく下回る4-6月(第2四半期)決算と7-9月(第3四半期)業績見通しを発表し、株価が急落。パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)の大規模投資を通じた野心的な再建計画への信頼は低下していた。

非公開協議を理由に関係者らが匿名で明らかにしたところでは、インテルへの同補助金の供与は早ければ来週に発表される可能性がある。ブルームバーグの過去の報道によると、補助金は同社のアリゾナ州などの製造拠点の支援に充てられる見通し。

米商務省は今年3月、インテルのアリゾナ州やオハイオ州での先端半導体生産計画などを支援するため、2022年に成立した国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づき同社に補助金85億ドルを供与し、融資110億ドルを提供すると発表した。

しかしインテルは現在もこの支援計画の条件を巡り交渉を続けている。CHIPS法による支援の対象企業はインテルも含め、まだ資金を受け取っていない。

インテルと米商務省、米国防総省はいずれもコメントを控えた。ホワイトハウスにコメントを求めたがすぐには返答はなかった。

ブルームバーグの報道を受け、13日の米株式市場時間外取引でインテルの株価は一時1%弱上昇した。

原題:Intel Shores Up $3.5 Billion Deal to Make Chips for Military (1)(抜粋)

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