新品なのに激安価格の「オフプライスストア」が注目されています。日用品から化粧品、服に食品に家具と、様々な商品が80%オフや90%オフで売られているワケを探りました。
掘り出し物も!コスメや日用品が激安『AENA』
「私の大好きな激安店があるということで、心の底から楽しみです!」
節約とオトクが大好き、THE TIME,マーケティング部の“お金課長”杉山真也アナがうきうきで向かったのは、東京駅の地下1階にある『AENAヤエチカ店』。
全国に130店舗展開する「AENA(アエナ)」は美容コスメを中心に、食料品や日用雑貨など約1300点を販売するオフプライスストア。激安の商品がゴロゴロあるんです!
杉山アナ
「ワイヤレスイヤホン、83%オフ!6578円のものが1099円。90%オフのオールインワンジェルだって!なんでこんなに安いの?」
他にも…
▼化粧水⇒3080円が75%オフで769円
▼ゆる圧美腹ガードル⇒4378円が87%オフで549円
などなど、ちょっと不安になってしまうほどの割引率ですが、オフプライスストアとはどんなお店なのでしょうか?
『AENA』広報担当 岡崎彩音さん
「アウトレットは、ブランドが自社のアウトレット品を売るけど、オフプライスストアは色んなメーカーさんの余剰在庫を取り扱えるので、比較検討ができる。物としては新品で、まだまだ皆さんに求められている商品」
多くのメーカーと交渉し、その時にある在庫を安値で引き取って販売。余剰生産されたものやパッケージデザインのリニューアルなど安い理由は様々ですが、大量に仕入れることで、激安プライスを実現している商品もあるといいます。
また、店頭に並ぶ商品は仕入れ次第なので、毎日商品が入れ替わるのもオフプライスストアの魅力です。
50代主婦
「掘り出し物があるのでよく来る。同じものが入ってくることがない時も多いので、この商品が!って時を逃さないようにして買っている」
この日、“激安大好き”杉山アナが購入したのは、「ジムに行かないで公園で体を鍛えているんだけど、かなり猛暑でさぼり気味」ながらも、トレーニング用にプロテイン。49%オフになっています。
「あとは特別に宇賀神さんに」と、83%オフで1099円のワイヤレスイヤホン。
「宇賀神さんが有線のイヤホン使い続けているんですよ」
他にも、フルグラ、ドライマンゴー、フェイスマスク、フェイスパック7個を購入。
定価で買えば合計金額は2万1968円ですが、レジでLINEの友達登録をしたら、その場でさらに100円引きになり…
杉山アナ
「5269円!大満足!」
様々なジャンルのオフプライスストア
家具のオフプライスストアもあります。
全国に55店舗展開する『BIG WOOD』では、新品のソファーが9990円、ボンネルコイルマットレス(シングル)が1万1990円など激安商品がズラリ。
売れ残りやキズあり品を現金一括払いで仕入れることで、低価格を実現しています。
東京・足立区にあるスーパー『マルヤス』では、ドリップコーヒー5杯分のセットがなんと1円!1.5リットルの水が2本で53円と驚きの価格で売られています。
激安のカラクリは、賞味期限ー。
「消費期限」は安全に食べられる期限ですが、「賞味期限」は美味しさの目安なので、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
なので賞味期限切れや、ギリギリ間近で廃棄するものをメーカーから仕入れ、店員が食べてチェックし味や品質に問題ないものを激安で販売しているのです。
有名ブランドの服が新品で90%オフ『LOCUST』
新宿マルイ本館(東京・新宿区)にも、3年前から大人気のオフプライスストアがあります。
店内入口の看板には<毎日がセール価格。希望小売価格から30~90%オフ>の文字。
杉山アナ
「なんと!VIVA!」
アパレルを中心に100~150種類のブランドを取り扱う『LOCUST』。
「NANO universe」のアウターは、3万7400円が90%オフで3740円。
他にも、
▼ワンピースとカーディガンのセット⇒8500円が90%オフの800円
▼ダウンベスト⇒1万9800円が80%オフの4000円
女性客
「古着じゃなくて新品で安いってどういうことだろう?嘘だと思いながらいったん手に取って、そのまま買っちゃいました」
なぜ、ここまで安くできるのかー
『LOCUST』バイヤー・PR 氏田かのこさん
「そもそも衣服の大量廃棄をなくすための事業なので、捨てられるはずだった商品がお客さまの手元に届けば1番嬉しい」
そう、廃棄予定の在庫を仕入れているから新品でも安いんです。各ブランドと交渉し、どんな在庫を、いくらで仕入れるかがバイヤーたちの腕の見せどころ。
例えば、「TORY BURCH」のトートバッグ。色も黒で流行に左右されないようなデザインですが、定価6万1600円が41%オフの3万6300円。
『LOCUST』バイヤー・PR 氏田かのこさん
「このトートバッグ+アルファで仕入れる。柄が入っていてお客様に喜んで頂けなかったものと一緒に買うのでお値段を下げてもらう、という商談」
買う人を選ぶような、攻めたデザインもセットで買い取ることで、定番商品を安くしてもらうといいます。
普段は服にさほど関心がない杉山アナも、氏田さんに見立ててもらって秋コーデを買うことに。「低価格を前にするととことん冒険したくなる」と30分あれこれと試着を重ね、ジーンズに白Tシャツ、カーキの薄手のロングコートに決定。
定価なら全部で4万6178円ですが、1万3420円で購入できちゃいました。
アウトレットを追うオフプライスストア
全国に広がるオフプライスストアですが、専門家は今後さらに増えていくと予想します。
『日経クロストレンド』勝俣哲生編集長
「一番にあるのは昨今の物価高。オフプライスストアは多くの家庭の救世主的な存在で、人気を集めている。アメリカではアウトレットを追うような市場規模になっているので、日本でも着々と成長していくと見ている」
オフプライスストア人気で「買い控え」の影響は?
乃木坂46の一ノ瀬美空さんは、「洋服とかは“新作”よりも“割引”のほうにときめく」と、激安のオフプライスストアに興味津々。
ただあまりの安さに、ブランドとしては「買い控え」の心配はないのか?
ファッション流通を取材してきた『繊研新聞』 永松浩介編集委員によると、「定番商品はそもそも在庫になりづらいので買い控えのデメリットはない」。
さらに、日本では廃棄される衣類が1年間に1.5万トン(約33万着分/環境省参照)もあり、激安プライスで売っても「廃棄になるよりはメリットがある」とのこと。
安住紳一郎アナは「やっぱり服は流行・色・サイズがあるからなかなか小売店で全部売り切れることはない」とし、SDGsにも貢献できるのではと話した。
(THE TIME,2024年9月11日放送より)
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