「IR」=カジノを含む統合型リゾートの工事が、来年の万博の開催中にも実施できる見通しとなりました。

くい打ち工事を遅らせたり、休みの日を増やしたりといった、対策をとることで合意したということです。

■BIEが万博期間中の工事 中止求める

来年の万博の会場、夢洲で工事が進められている「IR」=カジノを含む統合型リゾートについて、大阪府と市は、2030年の開業を目指しています。

しかし先月になってBIE=博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長が、景観や騒音が懸念されるとして、万博期間中の工事の中断を求めていたことが明らかになりました。

■大阪府市が 万博への影響『低減』する対策を発表

こうした中、大阪府と市は10日、万博への影響を低減させる対策を発表。
吉村知事と横山市長が10日総理官邸を訪れ、岸田首相らに伝えました。

来場者が増える開幕直後やお盆などの時期にIR工事を休む日を増やすほか、くい打ち工事を2カ月延期し、重機の稼働台数のピークを万博の閉幕後にずらすなどの対策を実施することで事業者と合意。

ケルケンツェス事務局長の理解も得られたということです。

【大阪府・吉村洋文知事】「具体的な対策の中身は、事業者と大阪府市と、国も入りながら議論して進めてきました。簡単ではなかったんですが、皆が合意できるところまでたどり着けたことは良かった」

■事業者が「解除権」を放棄

また、万博期間中に工事ができる見通しとなったことから、事業者が違約金なしで撤退できる「解除権」を放棄したことも正式に発表されました。

今後は、大阪府と市やIR事業者の担当者が集まる会議を新たに立ち上げ、連携を密にしていくことにしています。

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