お米の品薄が全国的に続くなか、沖縄のスーパーには多くのお米が並んでいます。一体なぜなのか、現地を取材しました。

■沖縄“店頭に豊富な米”なぜ?

 沖縄県内のスーパーマーケット。9日、米売り場に運ばれてきたお米は北海道産のブランド米「ゆめぴりか」です。今年の新米ではなく、去年収穫された米が続々と店頭に並びます。

 同じく北海道県産の「ななつぼし」。さらに、岩手県産の「ひとめぼれ」や新潟県魚沼産の「コシヒカリ」もあります。

ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」 中村一陽店長
「今並んでいるのは令和5年産。新米はまだ入荷していない」
「(Q.新米はいつごろ入る?)10月には入ってくると思う。契約先の提案をもとに、こちらからも発注する」

 こちらのスーパーでは、いまだ新米の入荷が全くないにもかかわらず米の在庫が豊富です。

ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」 中村一陽店長
「県内の客で、県外の身内、親戚に(米を)送る人もいた。米にしては珍しく県外向けの発送はあった」

 首都圏などの都市部では米の品薄が続いている現状について、買い物客に聞いてみると…。

沖縄県民
「沖縄に住んでいると関東の米不足の実感を肌で感じられないので、正直あまり分からない」
「今のところ困っている感じはない。なくなったら買いに来る。どうして足りないのかなと思う」

 なぜ、沖縄県のスーパーでは米の在庫が豊富なのでしょうか。

■「お中元」と意外な関係性

 年間の平均気温が23.3℃と、温暖な沖縄県。今年、新米の収穫は5月に早くも始まっていました。

 ただ、米の収穫量は年間1850トンと、沖縄県は全国で2番目に少ないのが現状です。石垣島と茨城県の両方で米を育てている農家は…。

石垣島で米を生産 照沼洋平さん
「水田が少ないので、本当にある一部の限られた場所とか。盛んなのは石垣島。沖縄本島よりは盛んだと思う。年々、後継者不足になっていると聞いている」

 収穫量が少ない都道府県は1番目が東京都、2番目が沖縄県、3番目が神奈川県、4番目が大阪府。沖縄県以外は大都市が並んでいます。

 こうしたなか、9日に取材した沖縄県のスーパーに米の在庫が十分にあった背景には、この時期ならではの事情が…。

ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」 中村一陽店長
「沖縄のお盆需要や年末年始、そういった時には米の需要は高まる」

 沖縄県ではお盆の時期に、お米をお供え物に使ったり親戚に配ったりする風習が続いていて、米の需要がより一層高まるため、事前に多くの在庫を確保していたといいます。

ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」 中村一陽店長
「例年やっているが、特に今回はさらに意識した。事前に(在庫を)切らさないように、回れる提携先や米業者と情報を密にしながら欠品することなく対応できた」

 一方、米の品薄が続いていた大阪府のスーパーでは…。

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長
「9月に入って入荷の数がだいぶ増えてきた。産地に関して、まだまだ全国の米が集まるような状況ではなくて、大阪圏、近畿圏の米が中心になって入荷してくる状況。種類がまだ少ない印象です」

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