(ブルームバーグ):9日の債券相場は下落が予想される。前週末の米国雇用統計を受けて今月の米大幅利下げに不透明感が浮上する中、円債先物が夜間取引で下落した流れを引き継ぐ。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、円債先物には利益確定売りが出たと話す。雇用統計を受けて米金利は低下したものの「大幅な利下げは微妙な状況で、米債相場の上値が重い中、国内ではあすの5年入札への警戒もある」と話した。一方、国内で円高・株安が進めば「景気懸念から円債相場のサポートになる」と述べた。
6日の米10年国債利回りは一時3.64%程度と2023年6月以来の低水準を付けた。8月の米雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方、失業率は予想通り小幅低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は9月の利下げを示唆した上で、大幅利下げの可能性について「オープンマインド」とも述べ、利回りは低下幅を縮小して取引を終えた。
米雇用者数の伸び、市場予想に届かず-利下げ幅巡る議論活発化へ
ウォラーFRB理事、大幅利下げの可能性に「オープンマインド」
岡三証の鈴木氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.85~0.87%(6日は0.845%で終了)、先物中心限月9月物は144円80銭~145円10銭(同145円18銭)。
先物夜間取引で9月物は6日の日中取引終値比20銭安の144円98銭で終えた。
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