(ブルームバーグ):9月第2週(9-13日)の債券相場は、長期金利の低下(価格は上昇)が予想される。月内に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが確実視される一方、日本銀行による利上げはしばらく先との見方が強く、余資を抱えた国内投資家の買いが相場を支えそうだ。
市場参加者の見方
◎三井住友DSアセットマネジメントの深代潤運用企画部兼責任投資推進室プリンシパル
- 日銀の追加利上げは12月か2025年1月を予想。利下げ後の米経済の行方を見極める必要がある上、自民党総裁選など政治的な不透明要因もあり、10月は見送るだろう
- 利上げがしばらくないとなると、債券相場は膠着(こうちゃく)状態が続き、じりじりと投資家の買いがあぶり出されてくる可能性がある
- ただ、中間決算期末が近づき投資家は収益を固めたいだろう、どんどんと買い上がり、金利が大きく低下することもないだろう
- FOMCの利下げ幅はどちらかというと25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を予想しているが、米雇用統計次第の面が強く、判断は悩ましい
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.85-0.9%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 国債利回りの目先の低下余地は限られようが、投資家からの積極的な現物債売りも見込みづらく、 しばらく相場は横ばい推移となろう
- 上半期末が接近する中、日米の金融政策会合が予定され、投資家の動きは鈍いだろう
- 日銀の追加利上げが意識されて国債利回りの低下は進みづらくなっている一方で、欧米主要国では利下げ観測が続き、利回りの上昇も限られている
- 各国の利下げは来年に向けて続く見通しで、国内債券相場を支える要因になろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.83-0.9%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 9日:4-6月期の国内総生産(GDP)改定値
- 10日:米大統領選候補者討論会
- 11日:中川順子日銀審議委員が秋田市で講演と会見
- 11日:8月の米消費者物価指数(CPI)
- 12日:田村直樹日銀審議委員が岡山市で講演と会見
- 12日:欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、総裁記者会見
- 12日:8月の米生産者物価指数(PPI)
- 12日:自民党総裁選が告示、27日に投開票
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